訃報、届く。

  朝から、突然の訃報に驚く。

火曜日に、クルマとおさらばしたばかり…だというのに。

しばし、言葉にならない。
動悸だけが、激しく脈を打つ。

  「ふうっ」ため息ばかりが、口をついて出る。

52歳。あまりにも若すぎる。
なにがなんだか、わからない。

  この世から居なくなった…そんな想像が駆けめぐるのだろうか?
  最近は仕事をご一緒する機会もなく、どうされているのか…と思っていたのに。

ボクが沖縄に来て、TVCMを企画制作することになった時、
基礎から懇切丁寧に教えてくれた人だった。

  沖縄のCM業界がまだまだ黎明の時期で、
  ポストプロダクションも確立されておらず、
  仕事の進め方ひとつひとつが、もどかしい状況だったとき、
  名古屋の先進技術とプロスタッフの動きを沖縄に取り入れ、、
  沖縄CM業界に革命を起こした人だった。

ホンモノのMAシステムとはこういうもの、
ホンモノの映像処理とはこういうこと、
ホンモノの仕事の流れとはこうやること…と
名古屋の制作現場にまで連れて行ってくれて
さまざまな話を聞かせてくれた人だった。

  振り返ってみると、
  今ある基礎はすべて、
  この時代に経験したことが糧になっている。

つまり、Kさんとの出会いなしに
今の自分は存在しない…と言っていい。

  とてもクセのある方だから、
  敵も多かったように思う。
  だからこそ、不在が胸に穴をあける。

どれだけの影響力をもって
沖縄のCM業界に革命を起こして去っていったのか。

  充実の日々を経験させてもらったこと、
  感謝の言葉がいくらあっても足りない。

  
  本当にありがとうございました。
  あちらでも、毒舌撒いてください。
  そして、安らかにお休みください。

  合掌

さらば、ミナクロ その2


今週は、雨が続いている。
気温も日に日に下がってきた。

昼間だというのに、日差しもなく、
   アンニュイな気配。

    m(_ _)m

    「ふうっ」

波止場で愛車ミナクロを撮影。

レトロな雰囲気だ。

この写真は、気に入っていて、
ずっと柱に貼っていた。

写真は過去を切り取る。

そんな事実が、胸にひびく。

さらば、ミナクロ その1


1999年に撮った、初初しい写真。
我が家に「ミナクロ」が来た時の記念写真だ。

はじめて大きな買い物をした。

5年ローンで、月々支払うのも初めての経験。

必要に迫られて購入した「3796」だったけど、
納車されたら、愛着が湧いてきた。

それから8年。

3回の車検も経験し、
来年の2月で4回目を迎えるはずだった。

さすがに買い換えも検討していたけど、
こんなカタチで、おさらばするなんて。

車軸が曲がっていて、足回りは全取っ替え。
さらにシャフト部分もあやしいらしい。
全額20万以上の費用がかかる…と見積もられた。

…ん。

ここは意を決して、廃車にするしかない。
しかし、万感の思いが、心を巡る。

ミナクロ…。
この愛着のあるナンバーで、
我が家に来たのも、なにかの縁。
これからは、代々「3796」で
君の意志を継ぐからな。

大きな事故も起こさず
ボクたちを安全に導いてくれて、
ホント、ありがとう。

長い間、お疲れ様でした。

スリップ事故 その2


まずは自動車保険の担当者へ電話をする。
「すみません、事故を起こしました」

状況を説明し、為すべきコトを確認。
「接触してなければ、自損扱いなので、
 相手の方を残して警察を呼ばれても、あまり意味はないですね」

実証できなければ、責任はすべてこちらに廻ってくる…と。

「まずはクルマをレッカー移動して、
 近隣の迷惑を解消してください」

やれやれ。

右折車の運転手には、
保険会社の話を聞かせ、
帰ってもらう。

「お互い気をつけましょうね」
そんなセリフを吐かれても…。
やり場のない気持ちで、高ぶっていた。

ほどなくJAFがやってくる。

ことの成りゆきを説明し、
整備工場まで運んでもらう旨をお願いする。

雨の中、車体を持ち上げタイヤを台に乗せ、
移動できる状態にするエンジニア。

たちまち背中がびしょびしょになる。
着ているシャツがべったり背中に張りついた。

傘を差し、為す術なく立ちつくす自分。
…申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

レッカーに持ち上げられ、痛々しく運ばれる自分のクルマ。
降りそそぐ雨。背中に張りついたJAFのシャツ。

何の前触れもなく、突然起こったスリップ。
振り回され、縁石にぶつかり留まったクルマ。

もし、これが歩道だったら…。
コントロール不能の鉄の塊が、勢いのままぶつかったら…。
巻き込まれた人がいなかっただけでも、感謝。

不慮の事故が、引き起こす様々な出来事。
JAFのお兄さんには申し訳なかったけど、
警察のお世話にならず済んだことは、ホント不幸中の幸い。

自分もケガひとつなく
こうやって生きているのだから。

スリップ事故 その1


4回目の自動車事故。

日曜日の午後4時すぎ、
波之上橋に続く那覇港沿いの道路。
路面が小雨で濡れ始めていた。

交差点が近づく。
信号が赤に変わろうとしている。
右折車が出るタイミングを伺うように

…車を前に出した。

思わずブレーキ…!

…と同時に自分のクルマが大きく旋回。

前と後ろが逆さになり、そのまま道路脇の縁石に横殴り…。

          ……。

      「やった…」

      ……。

しばらく状況が掴めない。
とにかくエンジンを切らなければ。
フロントガラスが雨に遮られてくる。

通行人がドアのガラスをたたく。
「大丈夫ですか?」

ふと我に返り、ドアを開ける。

外に出てみると、前輪はパンク。
後輪は、車体下にのめり込んでいた。

   「あちゃー」

一瞬の出来事。
ほんの1秒足らずで、
クルマは自走できない状態に。

交差点で右折を待っていたクルマの運転手も
申し訳なく近寄ってくる。
「すべっちゃいましたね」

こちらが勝手に滑ったのだ。
たとえ、そちらが前に出てきたとしても…だ。

東松照明「Tokyo 曼荼羅」


東松照明「Tokyo曼荼羅」

東京都写真美術館で12月16日まで開かれている。
時間のない中、駆け足で作品を観た。

その数、307点。

未発表の写真は銀塩プリントではなく、EPSONの出力である。

まずそこに驚いた。
どう見ても差がない。
ほとんど区別がつかない。
見事な再現性である。

77歳にして新しいモノへ挑戦する
その姿勢がすばらしい。

しかも、1点1点が非常に力強い。
階下では、11月25日まで
写真新世紀東京展2007が開かれているのだが、
そちらの写真群と比較すると、そのクオリティが歴然。

東松照明の写真は、鬼気迫るモノがあるのだ。
そこは時代ゆえの狂気が含まれているのかもしれない。
しかし、執拗なまでにフレームに収めようと
躍起になっている写真家の魂がしっかり宿っている…からだと思う。

日本列島を縦横無尽に歩き回り、
収めた写真の数は、いったいどのくらいあるのだ!

その膨大なネガから未発表作品を選び抜く作業も相当なはず。
そこまでして初めて、写真表現を極めている…と言える。

「美ら島フォトミュージアム」のプロジェクトでは
発起人となって、沖縄県内の写真家をひとつにまとめた。

東松照明の情熱が、写真に宿り、ひとに宿る。

希有な人物と接点が持てたことに、ひたすら感謝した。

異常性愛記録ハレンチ


1969年、石井輝男の作品。

白羽根に埋め尽くされたベッドルームに
鮮血のごとく赤い液体が飛び散る冒頭、
オープニング映像の新しさもさることながら、

仮面ライダーの悪役、ショッカーのごとく
気を許さない執拗さで、女を求める「深畑さん」がスゴイ。

「愛してるんだから、ボク愛してるんだから」

と、懇願しながらも目は剥き出し、涎が垂れ、
衣服を破り、下着をはぎ取り、舌がカラダを這うシーンは強烈。

そしてそれがエンドレスに繰り返されるのだから、たまらない。
しかも、何度犯されても、無碍に断れない「典子さん」もスゴイ。

異常性愛の果てが、ゲイとの戯れという
当時としてはかなりハレンチな描き方にも脱帽だ。

ゲイバーでのダンスシーンはストロボ映像で、
ストップモーションのゲイと「深畑さん」の醜態が、
光の明滅に紛れてしつこくしつこく流れるのだから、ものすごく、イイ。

場面一転いつの間にか、金髪女のレズシーンになったかと思うと
それを小窓から眺め、ゲイとまぐわう「深畑さん」。

どこまでもハレンチ。究極のハレンチ。

いったいこの映画は、どのように当時扱われていたのだろう。
「成人映画」というジャンルでは括りきれない異常性である。

この映画が成立していた背景が、知りたい。
人間の欲望をここまで醜悪に描いて、
現在でもその映像が残っていることが、ボクはうれしい。

綺麗事だけで世俗を測ろうとする
片輪な視点より、よっぽど正常である。

「異常性愛記録ハレンチ」映画をめぐる怠惰な日常

網走番外地~南国の対決~

  娑婆を娑婆を 追われて網走へ
  はるばるやってきたけれど
  新米新米馬鹿にされ
  俺らの出しゃばる すきがない

  こんな こんな俺らに何故ほれた
  ほれてくれても 幸せに
  やってやれない 北の果て
  早く見つけろ いい奴を

  寒い 塞い季節も通り過ぎ
  やっと芽が出る 顔が出る
  俺らの名前を教えましょ
  その名も 網走ごくつぶし

こちら「網走番外地」の主題歌。
なんと、放送禁止になっているらしい。
その理由が、これ。

「退廃的・虚無的・厭世(えんせい)的言動を、肯定的または魅力的に表現したもの」

世俗に背を向けたような内容は、
青少年に悪影響を及ぼす…との理由だろうか。

しかし、高倉健が演じる「橘真一」は、
見事に筋の通った男だ。

「飲む打つ買う」のやくざな世界にあって、
酒も飲まず、博打もせず、女も買わないストイックな生き様。
曲がったことが嫌いで、間違っていることには、命を張って戦う姿勢。

見ていて、惚れ惚れする。
その自信はどこから来るんだ?

自分自身をしっかり持っていないと
周りの意見とぶつかって、すぐ揺らいでしまう。

しかし、橘は決して言い訳もせず、
自分で自分に問いかけ、成すべき事を成す。

復帰前の沖縄が舞台となっていて、
映像としても大変貴重な作品。

伊藤園レディスゴルフトーナメント その2


伊藤園レディスゴルフトーナメント

コース10番から18番まで2時間半かけて同行する。
ハーフとはいえ、ゴルフコースを廻るコト自体初めてなのだ。
ものすごく緊張しながらも、
なんとなくだが、ゴルフの醍醐味を味わうことができた…と思う。

清々しい気持ちになって、小さい白球を追いかける。
いろんな思いが立ち上がったり、引っ込んだり。
でも結局のところ、白球の行方が気になったり。
けっこう、無心になって汗をかいた。

ははあ、なるほどね。

日頃、忙しない時間の中で働いているサラリーマンには
このような悠長なタイム感覚は、新鮮だし、気持ちよいだろう。
どれだけ忙しくても日曜日は朝イチにゴルフ場へ出掛けるお父さんたち。
その気持ちを、ちょっとだけ理解することができた。

本日最終日。
諸見里しのぶさん、がんばって!

伊藤園レディスゴルフトーナメント その1


11月7日、諸見里しのぶさんの取材で
千葉県長生郡の「グレートアイランド倶楽部」へ。

新宿を朝の6時45分に出て、
高速を乗り継ぎ、辿り着いたのが午前9時。

房総半島の真ん中が、こんなに遠いものなのか…と半ば呆れながら、
しかも、この地域にはゴルフ場がこんなに多いのか…と半ば驚きながら。

まったくゴルフをしない身にとって、
このような格式高いゴルフコースに足を踏み入れるコト自体
おこがましい行為であるのに、

1億円プレイヤーが賞金ランキングを争うメジャー大会の
練習ラウンドに同行できる…というのは、場違い…すぎる。

右も左もわからないまま、
とにかくプロゴルファーのラウンドについて行く。

プロ3人のラウンドにキャディーが3人、
それぞれの関係者(監督やコーチ)が3人、
そこに報道カメラマンが取り巻き、
スポーツライターが今大会の意気込みを伺うべく
うしろに並んでいる。

さらにその周りには、
クラブメーカーやシューズメーカーの専任スタッフが
プロの動向を追うべく付き添っているのだから、
練習ラウンドだけでも20人近い群れとなっている。

ゴルフ初体験には、たまらない情景だ。

ゴルフは寡黙なスポーツだと認識していた自分にしてみれば
これだけの取り巻きが、ぺちゃくちゃ話しかけている状況は、
ホントに驚愕の連続だった。

ゴルファーって
こんな環境の中で
日々トレーニングしているのね。

確かに大会前の公式練習だから、
このような特別な雰囲気ではあるのだろうけど、
常に注目されているプロ選手の状況を垣間見た気がした。

伊藤園レディスゴルフトーナメント