【Mar_29】春の雪


「春の雪」の儚さに美学を昇華した三島文学の金字塔だけど、この現實を鳥瞰し、
不可解なものとして突き放す感覚は、彼の一貫した立ち位置だったなぁと改めて。
カミュの「世界の無意味性の自覚」に近いものがあるわ。

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この日、大和平野には、黄ばんだ芒野に風花が舞つていた。
春の雪といふにはあまりに淡くて、羽蟲が飛ぶやうな降りざまであつたが、
空が曇つてゐるあひだは空の色に紛れ、かすかに弱日が射すと、
却つてそれがちらつく粉雪であることがわかつた。
寒氣は、まともに雪の降る日よりもはるかに厳しかつた。

清顕は、しんしんと鳴つてゐる頭でこの風景に對しながら、
自分は實に何ヶ月ぶりかで外界といふものを見たと思つた。
それは實にしんとした場所だつた。俥の動揺と重い瞼とが、
その景色を歪ませ、攪拌してゐるかもしれないけれど、
悩みと悲しみの不定型な日々を送ってきた彼は、
こんなに明晰なものには久しく出會わなかつた氣がした。
しかもそこには人の影は一つもなかつた。

『俥のまま門を入つて、玄関先まで三町あまり、
そこも俥を乗り続けてゆけば、今日、聰子は決して會つてはくれぬやうな氣がする。
あるひは寺で、今、微妙な變化が起こつてゐるかもしれないのだ。
一老が門跡を説得し、門跡もつひに心折れて、今日もし僕が雪を冒して来たら、
聰子と一目なりとも會はせる手筈になつてゐるかもしれないのだ。
しかし、もし僕が俥を乗り入れれば、それが向うの心に感應して、
叉微妙な逆轉が起つて、聰子に會はせぬことに決るかもしれない。
僕の最後の努力の果てに、むかうの人たちの心に何かが結晶しかかつてゐる。
現實は今、多くの見えない薄片を寄せ集めて、透明な扇を編まうとしてゐる。
ほんの一寸した不注意で、要は外れ、扇は四散してしまふかもしれないのだ。
…一歩退いて、もし俥のまま玄関まで行き、今日も聰子が會つてくれないとすれば、
その時僕は自分を責めるにちがひない。
「誠が足りなかつた。どんなに大儀であつても、俥を下りて歩いて来てゐれば、
その人知れぬ誠があの人を博つて、會つてくれたかもしれないのに」と。
…さうだ。誠が足りなかつたという悔いを残すべきではない。
命を賭けなくてはあの人に會へないといふ思ひが、あの人を美の絶頂へ押し上げるだらう。
そのためにこそ僕はここまで来たのだ』

道のべの羊歯、藪柑子の赤い實、風にさやぐ松の葉末、
幹は青く照りながら葉は黄ばんだ竹林、夥しい芒、
そのあひだを氷つた轍のある白い道が、ゆくての杉木立の闇へ紛れ入つてゐた。
この、全くの静けさの裡の、隅々まで明晰な、そして云はん方ない悲愁を帯びた純潔な世界の中心に、
その奥の奥の奥に、まぎれもなく聰子の存在が、小さな金無垢の像のやうに息をひそめてゐた。
しかし、これほど澄み渡つた、馴染のない世界は、果してこれが住み馴れた「この世」であらうか?


(三島由紀夫『豊饒の海』第一巻「春の雪」より)

#photobybozzo

【Mar_27】小山台高校の桜


武蔵小山、小山台高校の桜。
#photobybozzo

まず、人々が都市を離れて地方へと移住していった。金融システムの崩壊など抽象的な経済への信頼感がなくなり、
自分の手で食べ物を生産することを選択する人々が増えていったのだ。
そうすると必要以上のものを生産する必要がなくなり、鉄器などを使った大規模生産でなく木器などで生産する人も増えた。
そうして全体の生産量も減っていった。それに伴い人々の欲心が減退していき、その頃から、キリスト教の普及が広まった。

人類は滅亡するのではなく、古代ローマ人が辿ったように活動範囲は次第に縮小していき、性質も静かに穏やかになり、
消費意欲も減退する。経済至上主義の世界から見れば衰退とか後退ということになるが、
心の問題に焦点を当てると、十分に満ち足りていたかもしれない。

(雑誌「風の旅人」編集長 佐伯剛)

五輪が延期になり、コロナでQuarantineやLockdownなる英語が拡がり、それでも政治家は既得権益で動き、
ぼろぼろと人間社会の偏りが浮き彫りになってくれば、欲望社会も奇異に見えるようになる。
リニアモーターカーの車両公開とか「はぁ?」って感じだわ。

#photobybozzo

【Feb_18】わたなべあきこ@ゆめくい


大柴拓音楽劇『ゆめくい』@アトリエ第Q藝術

企画・作曲・演奏・アニメーション・映像プログラミング・脚本・演出・総指揮/大柴拓

[演奏]
Ensemble para furores
大柴拓 (ギター・作曲 ほか)
北村聡 (バンドネオン)
羽鳥美紗紀 (フルート)
加藤早紀 (ソプラノ歌手)
磯部舞子 (ヴァイオリン)
島津由美 (チェロ)
西嶋徹 (コントラバス)

[ダンス]
Von・noズ
( 上村有紀 ・ 久保佳絵 )

[朗読 ほか]
わたなべあきこ (劇26.25団)

[照明]
三嶋聖子

[舞台監督]
山本卓司

写真UPしました。
【on_Flickr】0218_YUMEKUI

#photobybozzo

【Feb_18】Von・noズ@ゆめくい


大柴拓音楽劇『ゆめくい』@アトリエ第Q藝術

企画・作曲・演奏・アニメーション・映像プログラミング・脚本・演出・総指揮/大柴拓

[演奏]
Ensemble para furores
大柴拓 (ギター・作曲 ほか)
北村聡 (バンドネオン)
羽鳥美紗紀 (フルート)
加藤早紀 (ソプラノ歌手)
磯部舞子 (ヴァイオリン)
島津由美 (チェロ)
西嶋徹 (コントラバス)

[ダンス]
Von・noズ
( 上村有紀 ・ 久保佳絵 )

[朗読 ほか]
わたなべあきこ (劇26.25団)

[照明]
三嶋聖子

[舞台監督]
山本卓司

写真UPしました。
【on_Flickr】0218_YUMEKUI

#photobybozzo

【Feb_18】大柴拓音楽劇『ゆめくい』


大柴拓音楽劇『ゆめくい』@アトリエ第Q藝術

企画・作曲・演奏・アニメーション・映像プログラミング・脚本・演出・総指揮/大柴拓

[演奏]
Ensemble para furores
大柴拓 (ギター・作曲 ほか)
北村聡 (バンドネオン)
羽鳥美紗紀 (フルート)
加藤早紀 (ソプラノ歌手)
磯部舞子 (ヴァイオリン)
島津由美 (チェロ)
西嶋徹 (コントラバス)

[ダンス]
Von・noズ
( 上村有紀 ・ 久保佳絵 )

[朗読 ほか]
わたなべあきこ (劇26.25団)

[照明]
三嶋聖子

[舞台監督]
山本卓司

写真UPしました。
【on_Flickr】0218_YUMEKUI

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【Feb_13】7度『dim voices3』@七針


7度『dim voices3』@七針

原作 『大西洋のおとこ』より
作 マルグリット・デュラス
翻訳 小沼純一
構成 ・演出 伊藤全記
出演 中山茉莉 山口真由 竹村沙恵子
音響 かねこしょういち

写真UPしました!
【on_Flickr】0213_DIMVOICES3

#photobybozzo

【on_Flickr】7度_dimvoicesシリーズ#3


7度『dim voices3』@七針

原作 『大西洋のおとこ』より
作 マルグリット・デュラス
翻訳 小沼純一
構成 ・演出 伊藤全記
出演 中山茉莉 山口真由 竹村沙恵子
音響 かねこしょういち

写真UPしました!
【on_Flickr】0213_DIMVOICES3

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【on_Flickr】7度_dimvoicesシリーズ#2


7度 dimvoices#2『象』@スタジオ空洞

作/別役実
構成・演出/伊藤全記
出演/中山茉莉 山口真由 竹村沙恵子
音響/かねこしょういち
照明/伊藤全記
照明協力/安達直美
舞台監督/大根田真人

写真UPしました。
【on_Flickr】0618_DIMVOICES2

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【on_Flickr】7度_dimvoicesシリーズ#1


7度_dimvoices#1『アンティゴネ』@東京駒込妙義神社社殿

作 ソポクレス 訳 呉茂一
演出・構成 伊藤全記
出演 中山茉莉 山口真由
荒井るり子(820製作所)

写真UPしました。
【on_Flickr】0620_DIMVOICES1

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