【KIAC】アートクリトシアター『バッコスの信女』観劇。

【KIAC】アートクリトシアター『バッコスの信女』観劇。

https://kiac.jp/event/3477

本家は未見なので、ジェンダーギャップよりも、欲望と抑圧の二律背反を、家畜である牛をテーマに描いていたように感じた。資本主義の暴走が人間をも馴致し、飼い馴らされコントロールされることに歓びすら感じつつも、その資本主義を駆動させるのは欲望である矛盾。社会の無謬性に駆逐され犠牲となる人間たちの不均衡さを、村上春樹は『象の消滅』で描いているが、もはや「流れに逆らったところで変わらない」のだろうか?その虚無感は、イスラエルやアメリカの合理により加速度を増している。香港の「中国化」がどの程度まで来ているのか、シアターの面々は多くを語らなかったけど、社会の一元的振る舞いは、目指すべき人間性を喪っていくばかりだと、末恐ろしくなった。素晴らしい戯曲。#photobybozzo

【夏至】木野彩子『阿弥陀堂 四季のうつろい』

鳥取における「民藝」の立役者吉田璋也のことも、彼が昭和39年に建てた阿弥陀堂のことも、下諏訪の美術作家松澤宥のことも初めて触れたけど、生きていることの実感…それは五感にある、カラダで呼応する感性を研ぎ澄ましてこそ、生まれてきた意義。そんなメッセージを木野さんと対峙して感じた。たったひとりの観客と、たったひとりのパフォーマンスの30分間。太陽が1年で一番高く上がる夏至のタイミングに、風を受け、鳥の声を聴き、窓外の風景を体現する踊り子を見つめる。地球の上で生を賜り死してゆく運命である以上、アニミズム的に森羅万象を讃えたい。うたはいいな。歌、唄、詩。カラダを動かすこと、歌うことは、生命としての人間に与えられた原初的衝動だと思う。

#photobybozzo