
1969年、石井輝男の作品。
白羽根に埋め尽くされたベッドルームに
鮮血のごとく赤い液体が飛び散る冒頭、
オープニング映像の新しさもさることながら、
仮面ライダーの悪役、ショッカーのごとく
気を許さない執拗さで、女を求める「深畑さん」がスゴイ。
「愛してるんだから、ボク愛してるんだから」
と、懇願しながらも目は剥き出し、涎が垂れ、
衣服を破り、下着をはぎ取り、舌がカラダを這うシーンは強烈。
そしてそれがエンドレスに繰り返されるのだから、たまらない。
しかも、何度犯されても、無碍に断れない「典子さん」もスゴイ。
異常性愛の果てが、ゲイとの戯れという
当時としてはかなりハレンチな描き方にも脱帽だ。
ゲイバーでのダンスシーンはストロボ映像で、
ストップモーションのゲイと「深畑さん」の醜態が、
光の明滅に紛れてしつこくしつこく流れるのだから、ものすごく、イイ。
場面一転いつの間にか、金髪女のレズシーンになったかと思うと
それを小窓から眺め、ゲイとまぐわう「深畑さん」。
どこまでもハレンチ。究極のハレンチ。
いったいこの映画は、どのように当時扱われていたのだろう。
「成人映画」というジャンルでは括りきれない異常性である。
この映画が成立していた背景が、知りたい。
人間の欲望をここまで醜悪に描いて、
現在でもその映像が残っていることが、ボクはうれしい。
綺麗事だけで世俗を測ろうとする
片輪な視点より、よっぽど正常である。