【山田圭一】明日より個展スタート


10月03日。日曜日。くもり。
なんとか天気が持ちこたえている。

昨日は一日結婚式→披露宴→二次会と撮影。
12時間もの間、慣れないスーツで挑むのは
やはり肩が凝る。

しかし、人生最高の日に同席できる悦び。
挙式から二次会まで共有すると、
友人仲間にも気に留めてもらえる存在となり、
なかなか得難い体験だ。

…とはいえ、41歳にはキツいことも確か。

      ●

本日、銀座ギャルリー志門にて
山田圭一個展」の搬入作業を行う。

鉄の彫刻を主とする作家だから、
ある程度の覚悟は決めていったのだが、
あれほどの重たい作品を
階段で3階まで運ぶことになろうとは
不覚にも、思っていなかった。

その甲斐もあり、
展示はギャルリーのイメージを
良い意味で損なう素敵なモノになった。

会期は一週間。
見逃す手はない。

      ●

LUSH LIFE/Chris Conner

Life is lonely again
And only last year
Everything seemed so sure
Now life is awful again
A trough full of hearts could only be a bore

A week in Paris could ease the bite of it
All I care is to smile in spite of it

I’ll forget you, I will
While yet you are still
Burning inside my brain
Romance is mush
Stifling those who strive
So I’ll live a lush life in some small dive
And there I’ll be, while I rot with the rest
Of those whose lives are lonely too

[LUSH]…青々とした、繁茂した
[LUSH]…酔っ払いの

邦題で「豊穣の日々」とも「酔いどれの人生」とも
訳されるLUSH LIFEだけども、
「酔いどれ」をも「青々と繁茂する」
豊かな日々にとらえるあたりが、
まさに人生そのものだと、ボクには思えたわけで。

好きな女性のことを思って「酔いつぶれる人生」は、
退屈な日々だと思われようが、
それはそれで「青々とした毎日」なのではないか。

Coltrane
の演奏を聴きながら、
Billy Strayhornの愛にあふれた思いを汲み取るのだった。

いやいや、なんでLUSH LIFEかって?

愛で結実したふたりの記念すべき一日に
はたしてどんな曲がふさわしいのだろう…と
JAZZのスタンダードを巡っていたら、この曲に出くわした訳。

LUSH LIFEって、いったいどんな歌詞なんだろう?

このねちっこい旋律には、なんとも言えない思いがありそうだ。
…などと調べてみたら、やはりその通り。
このミルフィーユな重複した思いこそ、二人の門出にふさわしい。

だからJAZZは(男と女は)やめられない。

【山田圭一】RUDOLF STEINER and ART 2010


9月24日。一日雨。どんよりとした空。
“暑さ寒さも彼岸まで”を地で行く寒さ。
短パン王子も、いきなりの寒さに喉を痛める。

今日は一日、紙焼き作業。
恐ろしいくらい久々に手焼きをする。
しかし、何度やっても写真は紙焼きに限る…と実感。
思い通りに上がった時の恍惚の感覚は、
何事にも代え難い。

      ●

6月に青山clementsalonで個展を行った山田圭一が、
今度は銀座のギャルリー志門にて再度個展を行う。

<画廊企画/連続個展>
第2回『天の果実』―新たな共生の芸術をもとめて―
    RUDOLF STEINER and ART 2010
前期:
  9月27日(月)~10月2日(土) 笠原由起子展
  10月4日(月)~10月9日(土) 山田圭一展
  10月11日(月)~10月16日(土) 秋本康子展

後期:
 10月18日(月)~10月23日(土) 佐々順子展
 10月25日(月)~10月30日(土) 田辺修展
 11月1日(月)~11月6日(土) 阿津美知子展

【関連企画】10月2日(土)17:00~19:00

・シンポジウム/小泉晋弥(茨城大学教授、美術評論家)
 笠原由起子(美術家) 山田圭一(造形作家)
 司会進行/西松典宏(元NKH日曜美術館エグゼクティブプロデューサー)
  <テーマ>21世紀の芸術をシュタイナーと考える

・懇親会:10月2日(土)
  ビオディナミ・ワインパーティー19:00~20:30
  ※ビオディナミ=シュタイナーが提唱した農法
  ワイン選定:
     (社)日本ソムリエ協会認定ソムリエール谷田部美子
 ◎要予約

雲南で撮影している間に日が迫ってきていて、
今頃焦って紙焼きをしている次第。

10月3日の搬入時に
ボクの写真も展示しようという企み。

来週月曜日に今一度、山田氏と打ち合わせ。
ギャルリー自体が非常に温和な雰囲気なので、
どのような演出で硬質感を提示できるか…が、課題。

写真も巨大に出力して無造作に貼り付けるぐらいが、
いいかもしれない。

しかし、山田圭一とシュタイナー。
キュレーターは彼のどこにシュタイナー性を認めたのだろう。
無骨なところか。幻惑なところか。霊的なところか。

雲南にいるあいだ、デザイナーのヒラクくんに
シュタイナーの話をいろいろ伺ったばかり。

たしかに「梵我一如」な思想…自身は宇宙と一体であり、
エネルギーは円環している…といった考えは、
「環境に思考は育まれる」指向と合致する。

笠井叡のオイリュトミーもシュタイナーだ。

これまで培ってきたさまざまな思想が
雲南を契機として、ひとつところに収斂していく。
なにかをカタチにできる大きな期待が
自分の中に徐々に高まってきている。

この導きは何を物語っているのだろう。
武者震いがする…といったら、大げさか。

【bozzo】阪急百貨店うめだ本店


08月03日から大阪に入る。
ことの詳細は森のせいかつを。

大阪はとにかく暑かった。
東京よりは確実に暑いと実感。

そして人も熱い。
大阪の人は、なにかが違う。

エネルギーをたくさんもらってきた。

今回の出店でブースを共有したアバンティさん。
早くからオーガニックコットンの良さをみつけ、
商品化とその価値を世に説いてきた社長の渡邊さんは、
とてもアグレッシブかつフレキシブルな女性。

「オーガニックは一日にしてならず」の言葉どおり、
三年以上の月日と手間暇をかけて自然栽培で収穫する「綿」、
オーガニックコットンをMADE IN JAPANの品質にこだわって
製品化している。

瀬戸内海に古くからある紡績工場を使って「糸」にし、
今治・山形の腕の良い職人の手でさまざまな表情を見せる「布」へ。

その製造工程は、ホントに息が切れるほど、長い。
そこまでして本物にこだわる渡邊さんの思いとはなにか。
 
 「安く早く大量につくることを最優先にしてきた産業構造に、
 足並みを揃えられない製品です。しかしだからこそ、
 オーガニックコットンにしかできないものづくりがあります。
 日本が永い年月かけて培ってきた技術は、オーガニックコットンの
 特長である、安心・安全をささえるために、なくてはならないのです」

農薬を使わず、自然の摂理に則って栽培・収穫され、
人の手を通じた息の長い工程を経て、お客様の手に届く幸せ。

そんな当たり前のことを守ろうとしている渡邊さん。

ファストファッションが本流となり、日本の下請け工場が閉鎖を余儀なくされ、
安くて加工が容易な化学繊維により、アトピーなどに悩む女性も増え、
経済不況という触れ込みで、実は刹那な選択を強いられている消費者。

UNIQLOやH&Mなどの店頭に広がる色彩豊かな商品群は、
一見、自分たちの「個」を表現するアイテムが増え、
個性的なファッションを生んでいるように見えるけれど、

実はモノそのものの価値が下がり、モノを見る目が乏しくなり、
画一化された貧相な価値観…痩せた土壌へと導かれている事実。

この現実に狼煙を上げ、果敢に挑んでいる姿は、
そのアグレッシブな容貌と相まって、とても頼もしく見えた。

やはり、経済一辺倒で人間そのものが疲弊している。
「人間」とは本来、もっと賢い生き物であったはずだ…
…との思いが、募ってしまってしょうがない。

政治しかり、経済しかり、物づくりしかり…。
ここで「舵取り一杯!」と声高にする人がもっともっと
増えなければ、何かが大きく欠落した社会となる。

そんな気持ちを強くした、この大阪出張だった。

【bozzo】あきゅらいずブログ始動!


06月15日。火曜日。
とうとう入梅してしまった。
15年ぶりに味わう東京の梅雨。
このじめっとした感覚は
沖縄のそれとは何かが違う。

しかし、沖縄を離れてもうすでに8ヶ月。
あの頃の記憶も、定かではないか。

      ●

企業ブログである。

「贅沢な、シンプル」を製品の理念に掲げるあきゅらいず美養品
企業の所在地である三鷹市野崎周辺の「空気」を
ひとりの「写真家」の目線で伝えるブログ。

「私」に寄り過ぎず、「企業」におもねらず。

被写体との距離を保つように、
同じ距離感で接してゆく…。

そんな希有な立ち位置で
語ることができたら、素晴らしい。

こんなことが成立するのも、
トップふたりの理解があればこそ。

「あきゅらいず」は原点回帰を意味する造語。

ある会社の企画室から
新しいスキンケアを提案する会社として
独立させたのが、2003年。

起業の立役者である南沢さんと松本さんは
悪戦苦闘を強いられながらも
年商20億を超すところまで社を成長させた。

その根っこには、
徹底したお客様主義がある。

「ムダの多い化粧品業界の常識を、
 いたってシンプルな状態にし、
 女性の肌にとっての本質を極めたい」

「贅沢な、シンプル」…この理念がすべてを物語っている。

実際、製品化されたものは
中国の生薬を配合した「草根木皮たまり」がベースの
きわめてシンプルなものばかり。

「肌本来が持つ治癒力を手助けする、中医学の発想から生まれた」
…という「美を養う」3ステップ「洗って、ほぐして、保湿する」は、
化粧品の常識がないボクには、すうっと入ってくる理屈だった。

実際、「すっぴん」女性40数名が闊歩するオフィスに席を置いていると、
行き帰りの電車・バスで見かける化粧姿の女性たちに息苦しさを覚える。

特にファンデーションがくすんで顔全体が沈んでしまったような女性を見ると、
「すっぴん」でありながら輝く笑顔の「あきゅらいず」社員って…と、感服してしまう。

「美は内面から」じゃないが、皆自信に満ちあふれているのだ。

      ●

そんな新しいカタチの「女性解放」運動を担う会社、
あきゅらいず美養品の今を、ボクなりの感性で届けたい。

「いのち」の声が、聞こえてくるはずだ。

「森のせいかつ」 写真と文;モリヒデツグ

【bozzo】じん帯損傷


3月8日。月曜日。
また冬に逆戻り。三寒四温。
洗濯物がまったく乾かない気温8度の曇り空。
古傷の腰や膝が疼くように痛い。

2月13日(土)に痛めた左足首。
捻挫だと高をくくって3週間。
いっこうに腫れが引かないので、本日整形外科へ。

開口一番、医者が言った。
「3週間も放っておいて良い訳ないよね」

捻挫ははじめの一週間の処置が大事。
靭帯がたとえ切れていても固定しておけば、元通りにくっつく。
しかし放っておけば、切れた靭帯はそのまま固まってしまう。

「たとえば10本ある靭帯のうち、2本切れたら捻挫。
 4本切れたら靭帯損傷、5本切れたら手術しなきゃいけない。
 あなたの場合は、おそらく靭帯損傷のレベルです。」

すぐに病院にくれば、靭帯が復活して
元通りに足首もやわらかく動くはずだったが、
3週間も経ってしまうと、元の柔軟性は喪われ、
歩くと衝撃がそのまま膝に伝わり、すぐに疲れてしまうことになるだろう…と。

「今できることは残った靭帯の柔軟性を取り戻すことです。
 低周波の電気でマッサージをかけますから、今日から毎日通ってください」

…やれやれ。

ボクの身体はこうやっていろんなところが取り返しのつかない事態に陥っている。
目、耳、膝、腰…いつも医者にかかる時は、もう手遅れ。
深く頭を垂れて反省する。

もう簡単には治らない身体になっているのだ。

      ●

3月7日の日曜日。雨。
ブライダル撮影、初のメインカメラマン。
「ブライダルデビュー」を三井ガーデンホテル銀座16階のレストランskyで迎える。

10時40分に会場入り。
メインカメラマンとして挙式のプランナーにご挨拶。
タイムテーブルで打ち合わせ。
11時30分からメイキャップ撮影に入ることに。
それまでに会場主要ポイントの露出を再確認。

ウェルカムボードや生花の撮影を行う。

11時30分。25階のお部屋へお邪魔して、
新郎新婦へご挨拶。メイキャップシーンの撮影に入る。

この日のために準備してきたふたり。
こちらも最高の記録を残すことが何より務め。
緊張しつつも、笑顔でポーズを指示。

12時。挙式のリハーサル。
人前式のため、式の進行がすばやい。
結婚宣言⇒指輪の交換⇒ベールアップ⇒キッス⇒晴れて夫婦に。
主要なところをこぼさず撮影しなければ。

13時。挙式本番。
60名あまりのゲストに迎えられて
ふたりの人前式がはじまる。

二度と訪れない貴重な時間。

手に汗握る一刻一秒の進行。
無我夢中で2台のカメラを交互に使って
ふたりの表情を追う。

ピント・露出、そして最高の表情。
ゲストへの気遣いもお忘れなく。

20分弱で終了。…なんと短いんだ。

撮るべきものは撮れているのだろうか?
振り返る余裕もなく、披露宴に場面が変わる。

13時30分、新郎新婦入場。
高砂までのアプローチ、ゲストの間を歩くふたり。
キラキラと輝く笑顔をふりまく。余すことなくシャッターを切る。

高砂についたふたり。
新郎ご挨拶⇒乾杯の音頭⇒乾杯⇒ふたりへのインタビュー。
次々と式次第が進行していく。
カメラマンは、とにかくこぼすことなくすべてを拾い上げて、撮る。

ケーキ入刀⇒ファーストバイト⇒お色直し⇒再入場⇒各卓巡り。
酒がどんどん消化され、宴もたけなわな浮き足立った会場とは裏腹に、
カメラマンは式次第のふたりをしっかり撮り押さえているか…の冷や汗ばかり。

ブーケプルズ⇒新婦のお手紙朗読⇒ご両親へご挨拶⇒新郎父ご挨拶⇒新郎ご挨拶⇒退場⇒送賓。
畳み掛けるように披露宴は分刻みに進行し、新郎新婦も休む暇がない。
喜怒哀楽がめまぐるしく訪れる。カメラマンはそのひとつひとつを逃さず、撮る。

17時、披露宴終了。ふう。

まったく余裕のないまま、一日が過ぎていった。
窓外の東京タワーがにじんだ赤で浮かび上がっている。

水一滴口に出来ないまま、6時間が経過していた。

Body&Soulふたりの一瞬一瞬に徹した恰好だ。
これからは毎週末、全身全霊でもって写真接客に殉じる構えだ。

爆弾を抱えたカラダで、どこまで走れるか。
まずはここまで来られたことに祝杯をあげたい。