【King Crimson】Lady of the Dancing Water


Grass in your hair stretched like a lion in the sun
草の上に広がる あなたの髪の毛 まるで日光浴のライオンのよう
Restlessly turned moistened your mouth with your tonque.
ひとときもじっとせず 舌で唇を舐め回す
Pouring my wine your eyes caged mine glowing
わたしにワインを注ぎながら あなたの瞳はわたしを捕えて離さない 煌めいて 
Touching your face my finger strayed knowing
あなたの顔に触れれば わたしの指はあてどなく彷徨うばかり わけ知りながら 
I called you lady of the dancing water.
わたしは叫んだ あなたのことを ダンシングウォーターの貴婦人と

Blown autumn leaves shed to the fire where you laid me.
舞うは枯葉 あなたが私を横たえた 炉火のそばに吹き集められ
Burn slow to ash just as my days now seem to be.
ゆっくり燃えてやがて灰と化す そのさまはあたかも我が人生の日々に似て
I feel you still always your eyes glowing
今もあなたを感じる あなたの瞳はいつも 煌めいて
Remembered hours salt, earth and flowers flowing.
思い出すは過ぎ去りし時間 潮の香り 土の匂い そして花々 風に揺れていた
Farewell my lady of the dancing water.
さようなら 我が愛しの ダンシングウォーターの貴婦人よ

             ●

写真はボクが沖縄に移住した頃から廃墟だった
FM沖縄横の元ダンスホール。

いまだに火災現場がそのまま放置されている。

1階は屋根の天井がすべてめくれ、とても危険な状態。
煤の臭いが鼻につき、磁位が狂ったような圧力を全身で感じる。
これ以上踏み込んだら、ダメージを受けそうな危機的状況だ。

2階は写真のように壁全体が壁画で埋め尽くされ、
すべての窓ガラスが割れた状態なので、光が燦々と降り注ぎ、
一種異様な雰囲気だ。

10年以上の時間が堆積し、そのまま取り残されたような
踏み込んではいけないユートピアといった様相。

前から気になっていた場所だったので、思い切って侵入してみた。…まるで中学生だ。
実際、ボクの後に中学生の悪ガキどもがフェンスをくぐりぬけ、
夏休みの探検と称して5名ぐらいで潜り込んでいった。
…鉢合わせしていたら、お互い肝をつぶすところだった。

             ●

東野圭吾の「白夜行」を読破した。
このblogを読んでる社会人は、
「コイツはいつまで夏休み気分なんだ」とお叱りのことだろう。
廃墟を探検し、長編小説を一週間で読破し、気楽なもんだ。

…反論はない。

その「白夜行」の発端が廃墟のビルである。
町に取り残された建築途中の雑居ビルが殺人現場であり、
その殺人をきっかけにふたりの男女が陽の当たらぬ「白夜」の人生を歩むことになる。
ま、この話は後ほど。今は続編と呼ばれる「幻夜」に意識は向かっている。

             ●

【King Crimson】の3枚目、「Lizard」を聴く。
なぜもっと早くこのアルバムに触れていなかったのだろう?
…そんな嘆きが出るほどの傑作だと、ボクは思う。

この『Lady of the dancing water』は小品であるが、
歌詞の内容といい、メロディ展開といい、アレンジといい
珠玉の名曲だと思う。 この回りくどい和訳も仰々しくて、いい。

ボクにも憧れの「ダンシングウォーターの貴婦人」がいる。

…また中学生みたいな告白だ。
しかたない。夏は人を狂わせる。
特にこの沖縄の熱気が人を狂わせるのかもな。

【YouTube】Lady of the dancing water

【King Crimson】I Talk to the Wind


Said the straight man to the late man
すすむ男は背後の男に問いかけた
Where have you been
君はどこへいたんだい
I’ve been here and I’ve been there
僕はここに そしてあそこに
And I’ve been in between
そしてそこら中を巡っていたというのに

I talk to the wind
風に話しても
My words are all carried away
言葉は全てかき消えて
I talk to the wind
風に話しても
The wind does not hear
風は聞きはしない
The wind cannot hear
風には聞こえていないのだ

I’m on the outside looking inside
外から内を覗き込む
What do I see
そこに見えるのは
Much confusion,disillusion
様々な錯乱そして失望
All around me
全てが僕を取り囲んでいる

You don’t posses me
僕の心を捉えることなく
don’t impress me
心に残すこともなく
Just upset my mind
ただ惑わすだけ
Can’t instruct me
教えてくれることも
or conduct me
導いてくれることもなく
Just use up my time
空しく時は過ぎゆくだけ

誰でも知ってる狂気なジャケットのKing Crimsonなんだけど40年間プログレとは縁が
なかったもんだからちょいと聴いてみるかと図書館で借りてきたらいいのなんのって。
この曲はPOLARISがCoverしてたから知ってはいたけど原曲がめちゃくちゃいいっす。
なんといってもKC前身のGiles,Giles,and Fripp版はより牧歌的だから尚更裏腹な歌詞が
際立つというかそれにしてもこのfluteを入れようとしたアレンジ力がたまらない。

プログレといえばボクの場合AUTO-MOD,The Willard,GASTUNKなど高円寺のパンク
雑誌DOLLの表紙を飾っていた奴らを総称してプログレ・パンクと言って超ハマっていた
もんだからついついごっちゃになってしまう訳でだからじゃないけどKing Crimsonや
Pink Floydは毛嫌いして通らなかったのかもしれない。ま、単純に世代ってことかな。

それにしてもなんとゴージャスな泣きのフレーズ目白押しなのだろうKingってやつぁ。

【JAZZ GUILD】0627 LIVE!


06月27日、土曜日。
桜坂セントラルにて、
沖縄ジャズギルドオーケストラ
のライブをリハから撮影する。

フォトログにUPしてみた。
【0627 JAZZ GUILD LIVE】@fotologue
Yahoo!photoでもUPしてみた。
【0627 JAZZ GUILD LIVE】@Yahoo!photo

すばらしいエンターテインメントショーだった。
技術とショーが調和して、見応えのあるLIVEだった。

今回はじめて密着取材的に
リハから本番までを撮影したのだが、
やはりステージ周りを自由に動ける
リハーサル時の撮影のほうが、面白い。

動きが限定されるステージ前撮影は、
まだまだ撮りようがあるのだが、
こちらの要領不足で、つまらない仕上がりになってしまった。

しかし、やはり管楽器には親近感があるから、
撮影カットも惚れ惚れするような写真ばかり(?)

今回の東京営業にも、活かしていきたい。

【佐藤伸治】感謝〈驚〉


楽しかった時が終わって
気づいてみたらさみしい人だった
寄り添う肩も頼りにならないで
裏切ったような気分だった

なぐさめもなく
やさしさもなく
そっと過ぎてく季節を
はしゃがないで見守ってた
あの人に驚きと感謝込めて歌うだけだった
そう全部

正しくもない
ウソつきじゃないよ
そう全部
指切りしない
近道しないよ
そう全部

夏休みが終わったみたいな顔した僕を
ただただ君は見てた

人影もなく
あこがれもなく
そっと過ぎてく季節を
はしゃがないで見守ってた
あの人に驚きと感謝込めて
見てただけだった
そう全部

正しくもない
ウソつきじゃないよ
そう全部
指切りしない
あこがれじゃないよ
そう全部

正しくはない
近道しないよ
そう全部
正しくもない
ウソつきじゃないよ
そう全部

      ●

佐藤伸治の言葉の世界は
なんと誠実なんだろう。

写真展を終え、この曲に身を委ねると、
あらためてこの歌の伝える核が心に沁みる。

感謝〈驚〉。

【FISHMANS2005】感謝〈驚〉

【松本隆】スローなブギにしてくれ


want you オレの肩を 抱きしめてくれ
生き急いだ男の 夢をあわれんで

want you 焦らずに 知り合いたいね
マッチひとつ擦って 顔をみせてくれ

人生はゲーム 誰も自分を
愛しているだけの 悲しいゲームさ

want you 弱いとこ 見せちまったね
強いジンのせいさ おまえが欲しい

人生はゲーム 互いのキズを
なぐさめあえれば 答えはいらない

want you…I want you オレの肩を 抱きしめてくれ
理由なんかないさ おまえが欲しい おまえが欲しい

【南佳孝】スローなブギにしてくれ

      ●

6月7日、日曜日。
梅雨だというのに、晴れ続き。

ダム枯渇。
潤いが欲しい。

昨日、コザのRoguiiで【ノラオンナ】のライブを見る。

ウクレレがこんなにも切ないなんて…。
今野英明みたいに
ゆる~く、つま弾く感じのウクレレしか印象がなかったから、
彼女のウクレレには、ぐいぐい引き込まれた。

男と女はルーツを探る旅…だなんて書いたけど、
息絶えるまでゆらゆらゆれる情念あってこその「性=生」きるだよな。

 あなたに逢いたい
 顔が見たい…声が聴きたい…体に触れたい
 でも…ホントは
 こんな想い…すべて忘れたい

そんなアンビバレントな心の「ゆれ」が
ウクレレのアルペジオとともにじわ~と沁み込んでくる。

「スローなブギにしてくれ」も彼女が唄うと、
「人生はゲーム」のフレーズが滲んで聞こえた。

      ●

本日、沖縄ツアーファイナル。

6/7(日) さちばるまやー

open 18:30  start 19:00

南城市玉城字玉城31-1
Tel (098)948-3230

沈む夕日に聴く【ノラオンナ】は、さらに心が「ゆれる」だろう。

【ノラオンナ】パンをひとつ


 おまえをだきたいと
 あなたにそういわれて
 一晩中考えて
 あたしはあの日だかれた
 うしろめたいおもいと
 かくせないうれしさと
 あけがたにだきあって
 そしてキスした

 おまえをだきたいと
 あなたにそういわれて
 あなたの目をじっと見て
 あたしはすこし笑った
 おもいが強すぎると
 なにも感じなくなる
 あけがたにふれあって
 やっと感じた

 わすれものはしないでね
 部屋のドアはもう開けない
 紅茶をゆっくり入れて
 パンをひとつたべて眠った

 あたしはおもったの
 あいしてるといえたらって 
 あけがたにゆめを見て
 そしてわすれた

 わすれものはしないでね
 部屋のドアはもう開けない
 紅茶をゆっくり入れて
 パンをひとつたべて眠った

 おまえをだきたいと
 あなたにそういわれて
 おだやかなその寝顔を
 息をころして見つめた
 そのときおもったの
 あいしてるといえたらって
 あけがたにゆめを見て
 そしてわかれた

【ノラオンナ】on the myspace

【STING】My One and Only Love


The very thought of you makes My heart sing
Like an April breeze On the wings of spring
And you appear in all your splendour
My one and only love
あなたを想うだけで 心が歌い出す
春の翼にのった 四月のそよ風のように
するとあなたの姿が… まばゆい光を放って
かけがえのない あなた

The shadows fall And spread their mystic charms
In the hush of night While you’re in my arms
I feel your lips so warm and tender
My one and only love
夜の帳が降り始め 静けさに包まれる頃
夕闇が神秘の魔法をかける あなたに抱かれ 感じる
唇のやさしい温もり
かけがえのない あなた

You fill my eager heart with Such desire
Every kiss you give Sets my soul on fire
I give myself in sweet surrender
My one and only love
高鳴る胸は 欲望であふれ
あなたのキスは いつも決まって 私に火をつける 
甘い歓びに ひれ伏す私
かけがえのない あなた

The touch of your hand is like heaven
A heaven that I’ve never known
The blush on your cheek
Whenever I speak
Tells me that you are my own
あなたが触れると 私は別世界へ
まだ見たことのない世界へ
私が何かを言うと いつも
あなたは頬を染める
あなたは私のものなのね

You fill my eager heart with Such desire
Every kiss you give Sets my soul on fire
I give myself in sweet surrender
My one and only love
My one and only love
高鳴る胸は 欲望であふれ
あなたのキスは いつも決まって 私に火をつける 
甘い歓びに ひれ伏す私
かけがえのない あなた

【STING】My One and Only Love

      ●

My Foolish Heartと双璧をなす1953年の楽曲。
Sweetすぎる歌詞だけど、Melodyが秀逸だからすんなり入ってくる。

John Coltrane & Johnny Hartmanのバージョンがあまりにも有名。
でも今夜はあえてMal WaldronChico FreemanのDUOで酔う。

ボクが敬愛して止まないふたりのミュージシャン。

ビリーホリディの悲哀を全部しょいこんだMal Waldronと
オヤジ譲りの正統派saxで己のルーツを音楽で探ったChico Freemanと。

映画「ユッスー・ンドゥール~魂の帰郷」では
セネガルのアーティストYoussou N’dourが奴隷売買のルーツを音楽で辿ったが、
ChicoFreemanのsaxに初めて接した時、その雄叫びに魂がぐわんぐわん言ったのを覚えている。

   …根無し草が、ルーツを語る。それはお笑いぐさだな。

「自分はどこから来たか、自分は誰か、自分はどこへ行くのか」
そんなお題を向けられたような、強烈な音だった。

   …男と女の出会いも、…ルーツを探る旅なのかもしれない。

今夜も、切りがないな。

【Tony Bennett】My Foolish Heart


The night is like a lovely tune, beware my foolish heart!
夜は素敵な音楽のよう 
油断しないで 愚かな私の心よ

How white the ever constant moon, take care, my foolish heart!
今日に限って なんて月が白々としているのかしら 
油断しないで 愚かな私の心よ 

There’s a line between love and fascination,
That’s hard to see on an evening such as this,
のぼせてしまうのと愛は別物
こんな晩には 分からなくなってしまうもの

For they give the very same sensation.
感じることは 同じだから

When you are lost in the passion of a kiss.
Your lips are much too close to mine, beware my foolish heart!
夢中でキスしている時
あなたの唇が近すぎる 油断しないで 愚かな私の心よ

But should our eager lips combine, then let the fire start.
でも 二人の唇が一つになるなら 火を付けてしまおう

For this time it isn’t fascination, or a dream that will fade and fall apart,
It’s love this time, it’s love, my foolish heart!
のぼせているわけじゃないのだから 色あせてバラバラになる夢じゃないのだから
今度こそ愛 それは愛なのよ、愚かな私の心よ

【Jazz Standard】My Foolish Heart

      ●

毎日のように桜坂「g」へ顔を出していると、
こんなJazzのスタンダードに酔いしれたくなる夜もある。

1949年の映画の挿入歌がそのままスタンダードナンバーになった楽曲。

高校時代、まだJazzとEasy Listeningの聴き分けがつかなかった頃、
Jazzのオムニバスアルバムを借りて、初めて触れたMale Vocal Number。

Tony Bennettがストリングスをバックに朗々と歌い上げている。

NYの摩天楼がキラキラと脳裏に輝き、
その奥行きある楽曲に、17の青二才が酔いしれた。

歌詞の意味はわからなかったけど、
切ない気持ちはドスンとハートに響いた。

切ない17歳は、締め付けられたチキンハートにきゅんとなって、
照れ隠しのように慣れない煙草に火を付ける。

      ●

鈴木重子のバージョンが本来の姿なんだろう。
恋多きオンナが、わかっちゃいるけど、今夜も恋に落ちる。

男と女の心の襞。
Barの止まり木には、よく似合う。

「Rumをロックで、もう一杯」

いくつになっても、こんな浮き世離れな心情に酔ってる自分が
一番「愚かなりし我が心」なのかもしれないけど。

すっかり、ロックグラスが似合う男になっちまった。

【忌野清志郎】青山葬儀所


      ●

忌野清志郎ロックンロールフェスティバルin青山にようこそってさ、
どうもホントに死んだらしい。
名曲が次々流れる中で、紅白の祭壇に骨壺を見たら泣けたよ…

      ●

高校時代の親友が、
ボクらの想いを持って
青山葬儀所へ弔問に行ってくれた。

写真は彼から送られてきた
葬儀場の祭壇。

4万人強のファンが詰めかけた…と新聞は伝えていた。
デイリースポーツ0510付

この写真を見て、胸が詰まった。
本当に、本当に、死んでしまったんだ。

昨日は密やかに清志郎を想って、桜坂「g」で飲んだ。

      ●

渋谷陽一が「ロッキンオンジャパン」で追悼号を出すという。
 渋谷陽一の社長はつらいよblog「0503忌野清志郎」

 何を書いたらいいのか分からない。書かないままでいようかとも思ったけれど、
 きっとどんどん何を書いたらいいのか分からなくなる気がして、
 どんな事でもいいから書く事にした。

 正直、覚悟しなければならないのだろうな、とは思っていた。

 先日、送られてきたファンクラブの会報に、
 いつも掲載されている本人の近況とコメントがなく、
 とても心配になったばかりだった。

 今はただ悔しいという思いだけが強くある。
 とにかく、いろいろな事が悔しい。

 凄くエモーショナルで、センチメンタルな心を持った男だったけれど、
 同時にハードで前向きな姿勢を常に崩さなかった。

 そのファンクラブの会報で、宗教関係の本を送ってくれる人がいるけれど、
 そうしたものは必要ないので送らないでいい、
 というコメントを出しているのが、いかにも清志郎らしかった。

 何かこうやって書いていると気持ちが落ち着いて来た。

 後ろ向きのセンチメンタリズムを清志郎は潔しとしなかった。
 俺をネタにセンチになっているんじゃねえよ、と言われてしまわないようにしないと。

 前に、同い年の清志郎が闘い続けているので、
 自分も逃げられない、という原稿を、
 彼の何周年かの記念ライブのパンフに書いた記憶がある。

 清志郎は闘う姿勢を全く変えないまま僕らを残して、
 この現世のステージから去って行った。

 後は残った僕たちが闘いを続けていくだけだ。
 ゆっくり休んでもらいたい。一緒に同じ時代を生きられて幸運だった。

      ●

 今夜はNHKで22:30から追悼番組もある。
「愛し合ってるかい?キング・オブ・ロック忌野清志郎」

 清志郎の意志を継いだボクらが、
 これからをどう生きるか。

 大いなる遺産を彼は残してくれた。
 心から そう思う。

【上田現】カッシーニ


【元ちとせ】カッシーニ

たとえ世界が喜びにあふれ、光輝いた朝を迎えても
もしあなたが消えてしまったら 私にとっては もうここはさみしい所

はっきり目に映る程 こんなに近くにいる
唯それだけのコトが 本当に不思議でウレシイ

土星の環っかがある理由を
知らないまま この地上で今日も暮らしてるけど

重なる手と手の合間に広がる
銀河の深さに ねぇ 吸い込まれそうだよ

世界中に転がってる 石ころのような でも誰も壊せない祈り
あなたを想うだけでも こんなに苦しくて こんなにも愛しい

カンパネルラが聞こえた 何処かで誰かが生まれた
そして誰かが消えてく わたしはあなたの手を握ってる

土星に環っかがある理由を
考えてみた
ガリレオはきっと笑うかな

好きで 大好きで  もうどうしようもなくて
気がついたら あなたの周りを ぐるぐる廻ってる

土星は今日も遠く空にいて
見渡しても 見上げても 私には 見つからない

好きで 大好きで もうどうしようもなくて
気がついたら あなたの周りを 廻ってた 想い

      ●

上田現の【遺作】と言われている。

妙な符牒を見つけてしまった。
この「カッシーニ」はNASAの土星探査機「カッシーニ」から
持ってきたタイトルだと思うが、

この土星探査機「カッシーニ」は
土星の環を見つけたイタリアの天文学者
「ジョヴァンニ・カッシーニ」にちなんで命名されている。

歌詞の中で「カンパネルラが聞こえた」とある。
「カンパネルラ」とはイタリア語で教会の鐘のこと。

そして「ジョヴァンニ」と「カンパネルラ」は
【宮沢賢治】の「銀河鉄道の夜」の登場人物だ。

おそらく上田現は、そこまで符号を合わせて詞を完成させている。

「春と修羅」の序に出てくる有名な一節、
 
 わたくしといふ現象は
 假定された有機交流電燈の
 ひとつの青い照明です
  (あらゆる透明な幽霊の複合体)

 風景やみんなといっしょに
 せはしくせはしく明滅しながら
 いかにもたしかにともりつづける
 因果交流電燈の
 ひとつの青い照明です
  (ひかりはたもち、その電燈は失はれ)

風景やみんなと一緒に
忙しく明滅しながら確かに灯り続ける
「ひとつの青い照明」が自分であり、あなたである。

これは「ゆれる。」のコンセプトともなった部分。

忙しく明滅しながら「ゆれる」ひとつひとつの青い照明たち。
そんな「共生」をテーマに撮りたいと思ったのが、はじまりだ。

      ●

 カンパネルラが聞こえた 何処かで誰かが生まれた
 そして誰かが消えてく わたしはあなたの手を握ってる

「わたしはあなたの手を握ってる」

「土星の環っかがある理由を
 知らないまま この地上で今日も暮らしてるけど」

「重なる手と手の合間に広がる
 銀河の深さに ねぇ 吸い込まれそうだよ」

上田現もきっと、「春と修羅」の一節を想いながら
この「カッシーニ」を作り上げたに違いない。
宮沢賢治へのオマージュも含まれているに違いないのだ。

 そんな符牒に気づいて、うれしくなった。

      ●

昨日5月5日、日比谷野外音楽堂にて、
元ちとせを始めとする上田現に縁あるアーティストが
「UEDA GEN TRIBUTE LIVE『キコエルカイ』」を開いた。

天国の上田現に向かって、彼の楽曲を捧げた。
雨空だったようだ。

シリウスは見えたか。