【Nov_01】Project_Beatlish


Project_Beatlish

CANTATA_BEATLISH-re(in)carnationー@六本木新世界

ビートルズの楽曲を解体→再構築するアガサさんの愛情たっぷりなプロジェクトの2回目。
今回は彼女の深層心理に迫る「reincarnation(死と再生)」の話を軸にビートルズが再構築されるのだけど、
「ボクは親のre(in)carnation(肉体再生)」から「親無き子=母の喪失=ジョンレノン」への導きがあって、

アガサさんの亡き父も実は「親無き子」だったという符牒から楽曲が組み立てられていて、
ジョンの私的な心情がクリエイションを生んだのと同じようなアプローチで、
アガサさんの極私的な要素が普遍的な世界へとBUILT-UPされていたからか、
聴く者を魅了する「新世界」が開かれた感動LIVEでした。

そんな中で、あらためてビートルズの使われた楽曲を聴き直してみても、
その詞やメロディの複層的なつらなりにオドロキがあり、
アガサさんの愛情がこうやってビートルズ再発見にも貢献していることが、すばらしい。

この「A Day in the Life」も掘り下げるとジョンとポールのクリエイションが見事な融合で、タマラナイ。

  彼はクルマを運転してるうちにブッ飛んじまって
  信号が変わったのに気付かなかったんだ
  野次馬がたくさん寄ってきて
  見覚えのある顔だとみんなが思ったものの
  そいつが上院議員だと断言できる人はひとりもいなかった

  I’d love to turn you on
  キミたちを刺激してやりたい

 
なんて歌詞、そうそう作れないだろ。ビートルズは不滅だね。

出演: 
徳久ウィリアム (voice, etc)
クドウアイコ (voice, etc)
アイケイイチ (voice, etc)
あがさ (voice & guitar, etc)

映像:
大野要介 (stopmotion.jp)

【Sep_12】待宵の会


待宵の会@湯島天満宮参集殿和室

個展「四谷の湿った放屁2」で知り合った杵屋三七郎さんの会へ。

はじめて正面切って「長唄」と「小唄」の世界を味わったのだけど、
なにか懐かしい趣きで、カラダも心もドップリと明治大正昭和の花街気分。

『長唄 巽八景』 唄・杵屋三七郎/三味線・杵屋佐之義
(作曲・十世杵屋六左衛門/作詞・立川えん馬/1839年作)
   尾花招きよせたりし 恋と情の深川や/縁しもながき永代の 帰帆はいきな送り船/その爪弾きの弦による 情に身さえ入相の
   きぬぎぬならぬ山鐘の ごんと佃の辻占いに/燃ゆる炎(ほむら)の篝火(かがりび)や/せめて恨みて玉章を 薄墨に書く雁の文字…

「長唄」は、基本舞台で演じられる歌舞伎などから派生した「歌いもの」で、本来は大人数で奏でられるものなのだけど、
お座敷で芸妓が歌う風情を味わってもらおうと、催されたのがこの会。
江戸城の辰巳の方角にあった深川の花街は、芸妓も芸者もとても粋で、ここで遊んでから吉原に繰り出すのが、ひとつの流れだったとか。
長唄としては短い15分ほどの曲だが、ゆるりとした唄の調子が、沁み込むのがひたすら気持ちよく、なんとも言えぬ感慨。

『小唄 婦系図_湯島境内』 唄・塩原庭村/三味線・伊吹清寿
(作詞・河上渓介/作曲・春日とよ)
   √久しぶり/髷も似合った二人連れ/梅もほころぶ 境内で/嬉しい思いも束の間に
   義理にせかれた切れ話/お蔦が涙泣くなくも/くぐる鳥居の影暗く/月もおぼろの春の宵

「小唄」の歴史は比較的新しく、ジャンルとして確立されたのは大正初期。
何千人といた江戸芸者の系譜で、とびきり三味線のうまい春日とよさんはLegendとなった芸妓さん。
様々な唄をレコードにも吹き込んでいる。のちに小唄の流派ともなった。
時世を唄に乗せるのが「小唄」なので、流行り廃りの回転が早かったらしいのだけど、
この唄は泉鏡花の「婦系図」が映画となったときに、とよさんが唄にして、たちまち流行ったもの。
やはり「小唄」の場末な鄙びた感じが、永井荷風の墨東奇譚に通じるものがあり、ボクはこちらが断然好き。

和物は奥が深い…というか、戦争で見事に断絶してしまった感あり。敗戦の傷跡として、文化を失って久しい。悔恨の極み。