【Sep_02】子どもたちは未来のように笑うby宮沢章夫


遊園地再生事業団+こまばアゴラ劇場
子どもたちは未来のように笑う
作・演出/宮沢章夫

初日観劇〜!

出演/上村 聡 松田弘子 長野 海 鄭 亜美 黒木絵美花 藤松祥子 大村わたる 小寺悠介 大場みなみ

音楽/杉本佳一
舞台美術/濱崎賢二
照明/富山貴之
音響/泉田雄太
衣裳/正金 彩
舞台監督/中西隆雄
宣伝美術/相馬 称
絵/はっとりさちえ
演出助手/山本健介
制作/赤刎千久子 有上麻衣

3月のワークインプログレス(WIP)の時に、
演出をされた宮沢さんに「多摩美つながりです」と自己紹介をし、
舞台撮影してます〜とアピールしたら、
「じゃあ撮ってよ」という話になり、
社交辞令だよなぁ…と高をくくっていたら、実際撮ることになった本作品。

もうそれだけでも、その巡り合わせに感謝したいのだけど、
『子どもたちは未来のように笑う』というタイトル通り、
宮沢さんの未来に向けたメッセージが詰め込まれた、
とても奥深さフトコロの深さがある作品なの…です。

WIPの時点で、すでにそれぞれのエチュードが組み上がっていて、
もしかしたら順序を入れ替えて、整えただけなんじゃないか?と疑ってしまうほど、
各プロットには見覚えがあるのだけど、
全体を貫く視点が加わったことで、見事なまでにストーリーが浮き上がっていて仰天した。

それは、出産前に羊水の検査で遺伝子の状態がある程度把握できてしまうがために、
「障害者」か「健常者」か
というレッテルを産む前に提示してしまう、現代医療に翻弄される若い母親の話。

相模原の事件から1ヶ月と、その波動が収まらない今だからこそ尚更、
この無神経な二択で「あちら」と「こちら」に分断されてしまう現代社会の、
その無思慮で浅薄な指向に、大きな揺さぶりをかけている。

随所に散りばめられた朗読劇がまた、
批評家宮沢章夫の複眼的視野を呈示しているようで、
「子を産むこと」という極私的経験がどれほど強引に
一般的な話題として「分かったような話」で語られているか…と、考えてしまった。

初日のアフタートークで、ままごと主宰の柴 幸男さんが
「子をつくり、子を産み、子を育む…という行為は、
どこまで行っても自分の経験以上の物事は、わからないものだと合点した」
といった
内容のコメントをしていたのを聞いて、なるほどな、と思った。

男と女の恋バナもSEXも、どれだけ経験を重ねたところで普遍的になり得るはずもなく、
だからこそ、相手への想像力こそが大事だという、至極当たり前の結論。

しかし、それを無思慮に安易なレッテルで分かったような話で片付ける。思考停止。

「ひとりの死は悲劇だが、100人の死は統計」じゃないけど、
早送りされる情報社会の中で、おざなりに結論づけようとする傾向が強すぎるわ、最近。

もっともっと本を読んで(過去に学んで)、
色んな人の話を聞いて(現代を生きて)、
コトバを交わすこと(未来を模索すること)でしか、
良い方向には進めないってコトを、この作品を観て、感じて貰えたら。

楽日25日まであと22ステージ。是非とも足を運んで欲しい!! のです!

【Jun_01】私があって経験があるのではなく、経験があって私があるのだ。by西田幾多郎


木ノ下歌舞伎義経千本桜―渡海屋・大物浦―@シアターイースト

写真UPしました〜!
【on_Flickr】0601_KINOSHITA

西田幾多郎は「哲学は悲哀からはじまる」と云いました。
「私があって経験があるのではなく、経験があって私があるのだ」と。

かつて「表日本、裏日本」といった表現がありました。

「表」を代表するものは東京・大阪・名古屋であり、
外洋に面した出帆の場所であり、近代化と文明化を暗示するものです。
これに対して「裏」とは、近代化に背を向け、文明から取り残されたもの、
内向し、沈潜へと向かう場所。

「表=陽」でアマテラスであり、「裏=陰」でスサノオであり、大国主命です。
「表」は未来を指向し、「裏」は過去を追想する。

「裏日本」というコトバには、敗戦後の日本が邁進した近代化&文明化への
慙愧や怨念といった自己矛盾の表れであったと思います。

「西洋への憧れ」が純粋なものとしてあった時代には、
それでも「日本的なもの=裏」への気づかいや愛着…取り残された者、
敗戦し死んでいった者への無念、失われてしまった過去への追想が、
ただの共感だけではなく、抱くべき心の源郷として、しっかり人々の拠り所となっていました。

寺山修司はまさにその時代の代表と言えます。

しかし、どんどん時間が積み重なり、「憧れ」が「妄想」へと変化を遂げてきた今は、
「裏」の存在を認めようとせず、無きモノにする風潮が高まってきています。

「負」の歴史を抹消しようという動き。
ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを無きモノにし、
「西洋」と見紛うクニに成り上がろうと。

西洋は「有の思想」です。
最初に神があり、その究極存在が次々と新たな存在を生み出します。
世界は存在で充満すると同時にその存在が区別されます。
動物はほ乳類・両生類・魚類と分けられ、ほ乳類はクジラやライオンやゾウに区別されます。
世界は区別され弁別され、名付けられたものの集合体なのです。

ここからひとつの態度が生まれてきます。
この世界のすべての存在物を収集し、それを手に入れる態度です。欲望です。

こうして博物学が誕生し、分類学が出来上がり、世界をすべて見聞するという冒険家が出現し、
さらには世界の果てまで我が物としたい…という欲望に発展していく。

知的好奇心は欲望の無限の膨張をもたらし、所有欲の自動運動を生み出していきます。
その極みが帝国主義や植民地主義であり、
「有の思想」が無限拡張の論理へと移行していったのです。
(佐伯啓思著「西田幾多郎」より)

日本は「無の思想」です。
人はただ、此処に生まれ、働き、死ぬだけです。

今ここでこの世における一期一会に命を燃やし、
我執や私欲を捨て去り、歴史的現実に参与しようとする存在です。

「今ここに」のうちに、「今」を成り立たせている過去のすべてが埋め込まれており、
過去から未来へと流れるすべての時間が包摂されている。

だからこそ、此処に生まれ、働き、死ぬことで、
我々の行為がさまざまな「もの」を生み出し、
世界を形作るという意思へとつながっていくのです。

それは己が「無」に帰することへの自覚によって、
初めて生成する創造的力点だと、西田幾多郎は云います。

この「義経千本桜ー渡海屋・大物浦−」@木ノ下歌舞伎は、
現代人が忘れてしまった「無の思想」が壮大な歴史絵巻によって語られています。

「歴史的な使命を自覚して世界へと創造的に働きかける」ことへの滅私の思想。

「大物浦」で義経に抱かれた安徳帝に『仇に思うな、知盛』と云われたところで、
知盛は自覚します。恨むべきは源氏ではなかった…と。

我執が取れ、己の役割は終わったと悟った知盛は、壇ノ浦での死を「やり直す」のです。

この二重写しがまさに「無私」であり、
「歴史的な使命を自覚し、世界へと創造的に働きかける」行為であった…と、ボクは思います。

モノに溺れ亡自となった現代人が学ぶべきは、過去にある。今こそ観るべき作品だと、強く思います。

【Jun_01】たけき者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ@木ノ下歌舞伎


木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』@シアターイースト

写真UPしました〜!
【on_Flickr】0601_KINOSHITA

作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸

舞台監督:大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術:カミイケタクヤ
照明:岩城保
音響:小早川保隆
衣裳:正金彩
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:岩澤哲野
文芸:関亜弓

宣伝美術:外山央
制作:本郷麻衣、加藤仲葉、堀朝美、三栖千陽

【Jun_01】沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす@木ノ下歌舞伎


木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』@シアターイースト

写真UPしました〜!
【on_Flickr】0601_KINOSHITA

作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸

舞台監督:大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術:カミイケタクヤ
照明:岩城保
音響:小早川保隆
衣裳:正金彩
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:岩澤哲野
文芸:関亜弓

宣伝美術:外山央
制作:本郷麻衣、加藤仲葉、堀朝美、三栖千陽

【Jun_01】祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり@木ノ下歌舞伎


木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』@シアターイースト

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作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸

舞台監督:大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術:カミイケタクヤ
照明:岩城保
音響:小早川保隆
衣裳:正金彩
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:岩澤哲野
文芸:関亜弓

宣伝美術:外山央
制作:本郷麻衣、加藤仲葉、堀朝美、三栖千陽

【Jun_01】知盛が恨むべきは源氏ではなかったのです@木ノ下歌舞伎


木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』@シアターイースト

写真UPしました〜!
【on_Flickr】0601_KINOSHITA

作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸

舞台監督:大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術:カミイケタクヤ
照明:岩城保
音響:小早川保隆
衣裳:正金彩
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:岩澤哲野
文芸:関亜弓

宣伝美術:外山央
制作:本郷麻衣、加藤仲葉、堀朝美、三栖千陽

【Jun_01】片時も早く帝の供奉を頼む頼む@木ノ下歌舞伎


木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』@シアターイースト

写真UPしました〜!
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作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸

舞台監督:大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術:カミイケタクヤ
照明:岩城保
音響:小早川保隆
衣裳:正金彩
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:岩澤哲野
文芸:関亜弓

宣伝美術:外山央
制作:本郷麻衣、加藤仲葉、堀朝美、三栖千陽

【Jun_01】大物の沖にて判官に仇をなせしは知盛が怨霊なりと伝へよや@木ノ下歌舞伎


木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』@シアターイースト

写真UPしました〜!
【on_Flickr】0601_KINOSHITA

作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸

舞台監督:大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術:カミイケタクヤ
照明:岩城保
音響:小早川保隆
衣裳:正金彩
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:岩澤哲野
文芸:関亜弓

宣伝美術:外山央
制作:本郷麻衣、加藤仲葉、堀朝美、三栖千陽

【Jun_01】知盛、只今この海に沈んで末代に名を残さん@木ノ下歌舞伎


木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』@シアターイースト

写真UPしました〜!
【on_Flickr】0601_KINOSHITA

作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸

舞台監督:大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術:カミイケタクヤ
照明:岩城保
音響:小早川保隆
衣裳:正金彩
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:岩澤哲野
文芸:関亜弓

宣伝美術:外山央
制作:本郷麻衣、加藤仲葉、堀朝美、三栖千陽

【Jun_01】つもり積もって一門我子の身に報いたか@木ノ下歌舞伎


木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』@シアターイースト

写真UPしました〜!
【on_Flickr】0601_KINOSHITA

作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸

舞台監督:大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術:カミイケタクヤ
照明:岩城保
音響:小早川保隆
衣裳:正金彩
補綴助手:稲垣貴俊
演出助手:岩澤哲野
文芸:関亜弓

宣伝美術:外山央
制作:本郷麻衣、加藤仲葉、堀朝美、三栖千陽