
12月28日月曜日。仕事納めの日。
…と言っても、別に大掃除するわけではなく、
派遣のバイトを終了するだけの話。
本日は福山通運の配達補助。
南青山・西麻布をひたすら配達で回る。
華やかな街並み、行き交う人々。
豪奢なスタイルの欧州車を乗り回すマダム。
AMラジオからは忘年会の話題を、
面白可笑しく茶化すパーソナリティの声。
ボーナスとか忘年会とか豪奢なクルマとか、
今後一生、縁がないのだろうな…とぼんやり考える。
サラリーマンだったことが、遠い昔日に感じる。
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12月23日。水曜日。
新高円寺の「STAX FRED」で行われた
Breath Markこと二羽高次氏のライヴを観る。
二つの羽で高い次元に…。そんな名前の通り、世界を違う稜線へと導いてくれた。
正直、東京に戻ってきて良かった…そう心底思えた一夜だった。
18年前、多摩美時代の音楽サークルは、わが「K-ON部」と「WESTERN」とに分かれていた。
何が違うって、WESTERNに所属していなかったので、真意は明らかじゃないが、
「K-ON」はお祭好きな快楽主義、「WESTERN」はひたすらカッコイイ芸術至上主義、
ま、なんといっても憧れのBANDは「WESTERN」に多かった。
その中でも群を抜いて色気を発していたのが、「PANTY SCANTY」なるバンドで、
チョーグルーヴィーなFUNKを、チョー粋なカッティングとチョーsexyなしゃがれ声で、
ステージ映え良くスタイリッシュに奏でるので、多くの男女が魅了されていた。
…で、そのVocalが、このBreath Markこと二羽高次さんだった。
なにしろ18年前なので音源も手元にないのだけど、
芸祭のステージに【パンスキャ】が出るとなったら、齧り付いて観てたもんだった。
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18年ぶりに聴く二羽さんの歌は、まったく違っていた。
カッコイイが、スタイルだけじゃなく「生き様」にまで昇華されていた。
両手で心臓を鷲掴みにされ、ブルブル揺さぶられるような、
今までに聴いたことのない音楽として、この耳に届いた。
シャーマンに近い…語り部に近い…音楽。
たとえば「くじら」(音源はぜひともmyspaceでチェックしてほしい)
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綺麗に描いた 海の絵のように 波輝いていた
あまりに広くて大きくて くじら 気が遠くなった
魔法の島まで ひとっとびさ いつか見た 銀色の島へ
輝いた砂 たどり着けるまで 本物の幸せを探す
絶え間の無い子守歌のように 南風囁いた
潮を吹いて虹を作った 水平線にもう とどきそうさ
憧れの島 華やいでいる 綺麗な珊瑚も咲いている
この海の深い砂に埋めた 本心をすべて さらけ出す
She was born now as a precious of ocean floor
She was born there deepest inside of calmness calmness
見渡す限りの瑠璃色の海で 一人のくじらが恋をした
ただ恋しくて 切なくて ひとりぼっちで転がった
誰かの言葉が聞きたくなって どうにも我慢が出来ないし
右も左もしがらみだらけ おかげで今夜も転がった
魔法の島までひとっとびさ いつか見た銀色の島へ
輝いた砂 たどり着けるまで 本物の幸せを探す
She was born now as a precious of ocean floor
She was born there deepest inside of calmness calmness
足りない足りない あぁ いつも何か足りない あいにく今夜はお月様もない
このまま今夜も くらげの群れで 漂っていても 眠れやしない
She was born now as a precious of ocean floor
She was born there deepest inside of calmness calmness
見渡す限りの瑠璃色の海で 一人のくじらが恋をした
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まるでくじらに跨って くじらの気持ちを代弁しているような
瑠璃色の大海原に苦悩するくじらが居て 星がまたたいている…。
これがギター1本、30名限定のステージで
かき鳴らす弦の擦れる音まで聞こえるような気密高い空間で
くじらが嘆くがごとくイタコ(ノロ)のように面前で絶叫されると…
自分たちがものすごく小さな存在で、
地球上にはまだまだ解らないコトがいっぱいあって、
人間の物差しでは測れない世界が大きく動いているってことを、思い知らされる。
なんなんだ、この衝撃は(>_<)。