【CAMEL】操上和美×町口覚(2)


1936年生まれの操上和美さんが
2009年から新たな媒体を立ち上げる。

…写真集ではなく、雑誌という形態で。

そこには写真家・操上さんなりのスタンスがあった。

「じっとしていると観念が勝っちゃうんですよ。
 運動をしないと駄目なんで。」

「写真に向かうエモーショナルな感覚を大事にしたい」

「コンセプトありきで動くと写真がつまらなくなる。
 ブレながらも直感を第一に。だから運動が必要なんです。」

写真は欲望の断片…と語った操上さん。
自分の感性をニュートラルに維持するにも
運動としての雑誌【CAMEL】は必要なのだという。

観念で撮ったら、つまらなくなる…そのスタンスは
どこまでも写真家操上和美そのもの。

今回のアイコンである「清原和博」も、
無冠の帝王が持つ不器用で一途な生き方に
「生きる哀しみ」を見たから。

そこに自分の欲望が動いたから…だという。

      ●

トークショー終了後、
サイン欲しさに購入した「NORTHERN」手に
操上和美さんの前へ。

40年以上第一線で突っ走ってきた操上さんの
唯一過去を振り返った写真集「NORTHERN」(2002年出版)。

生まれ故郷、北海道富良野の情景が132点も収められた
ルーツを辿る旅も、操上和美なりの欲望が動いた結果なのだろう。

84歳で荼毘に付された父の写真のあとに、娘であるボクの友人の写真があった。

「この下にサインしてください。」

少し照れながらも、筆ペンをゆっくり走らせ、
…Kurigami…とサインする操上さんに
あらためて畏敬の念を抱き、見つめる。

最後に握手を交わし、しかとパワーを受け取った。

「Respectが人を育てる。」
そんな言葉を思い出した。

今ボクがここに立っていること、
それはリアルな写真家「操上和美」のおかげだ!
…と、23年の月日を振り返りながら思う。

胸がいっぱいになった一日だった。