
9月21日。晴れ渡る空、日曜日。
昨日は鬱血したブヨブヨのアタマで寝てしまったためか、
うまく寝付かれず、朝の7時には目を醒ましてしまった。
「そういや、土曜日の朝刊を読んでなかった」
…と、寝不足で肥大化したアタマをもたげながら、
新聞をめくっていると、その訃報があった。
「えっ」
市川昆の間違いじゃないのか?
まだまだこれからでしょ、この人は。
CM界から映画監督になった魁の人で、
常に映像インパクトを与えてくれた、好きな監督だった。
「トニー滝谷」のメイキングを見直してみる。
監督が、ぼそぼそと語っていた。
「この作品で、大監督になるからさ」
「オレの映画、低予算だからねえ」
2003年8月の映像だ。
ちょうど5年前。
そのまま本編も見直してみた。
…涙があふれた。
坂本龍一のピアノが、じんじん胸に迫った。
孤独を抱え、その孤独を前に呆然と立ちつくす出演者たちの
心の揺れや葛藤が、ものすごく…堪えた。
そんな葛藤を映画というカタチで提示してくれた
…市川準監督の死を悼んだ。
現代に孕む、コントロールが効かなくなった様々な歪みや軋みを
これからも見つめ、カタチにしていって欲しかった。
こうやって突きつけられるからこそ、癒される部分もあるんだ。
「なんか、洋服って、自分の中の足りないものを埋めてくれるような気がして…」
…A子のセリフ。
晴れ渡る日曜日、
寝不足のアタマで、
哀しみにとことん浸った。