
入り口で10ドルを支払い、中に入る。
ガーデンミュージアムと言われるだけあって、
広い空間に彫刻が点在していた。
なんとも面白い造りだ。
吹き抜け部分に15作品ほど、中庭にも15作品ほどが気持ちよい感覚で設置しており、
観覧者は思うがままに作品の周りを散策できた。
2階建ての館内の展示はさらに気持ちがよかった。
午後の光が差し込む大きな窓の展示室で、
Isamuの代表作が静かに鎮座している。
絶妙な間隔で、作品と作品が呼応する特異な空間。
日曜だというのに、観覧者はボク独り。
対話をするように作品を眺め、陽の光を浴びた。
光の中で、Isamuの作品は無言だった。
その無言ぷりが、観る者に平穏を与えた。
これは、とてつもないことだった。
寺院の仏像との対面が人々の心に安らぎを与えるのと、まさに同義だった。
何も語らず、何も諭さず、静かに対峙していた。
ゆるやかに移り変わる木洩れ陽に、その姿を変え陰影を伸ばす無言の石。
それが石だからか…時間の流れさえもが、ゆるやかに移る。
地球という球体の、沖縄とニューヨークを結んだ延長に、ここは位置する。
その遙かな距離を体現しようとして、眩暈がした。
ここまで導かれたプロセスは、あまりに長く、遠かった。
しかしそのプロセスが、この平穏をもたらしたと思うと、感慨もひとしおだった。
至福の空間に、ボクは居た。


