約1時間にもおよぶ無音の状況下で極めて集中力の高い演舞となった今回、
ボクの勝手な想像ではあるが、少なからず被災地体感の要素が多分に含まれているのではないか…と踏んだ。
ファントム空間…「もののけはい」や「あわい」など不可視な存在が
観る者と演者の「いま、ここに」存るがごとく、空気がゆらぐ。
鎮魂を思わせる凝視、つながりを暗示させる手の交叉など、
無音下の張りつめた空気は、魂の着床をうながす。
未曾有の2011だから生まれ得た作品。
その全貌はFlickrをご覧あれ。
竹野に住まう舞台写真家の地域自治。

KPT旗揚げ公演「かたつむり」は18日まで。

KPT旗揚げ公演「かたつむり」のゲネ撮影。
脚本・演出は安井ひろみさん。
昭和初期の財産家の邸宅を舞台に、繰り広げられる人間模様。
世の中に男と女がいる限り、愛と憎しみの駆け引きは終わらない…と
思わせる暗澹とした内容。
女性がターゲットなだけに、
あらゆる種類の自己愛が劇中に詰まってます。
先週の朝日新聞be「悩みのるつぼ」で
上野千鶴子さんが書いてましたけど、自己愛=自己利益で社会は動いている…と。
原発事故以後、放射能汚染の問題に躍起になるのも
畢竟、自分かわいさで被害を被りたくないから。
アメリカが海兵隊グアム移転の問題で
国家予算を計上しないのも、
結局のところ、沖縄基地問題でニッポンを苦しめたいため。
そんな振る舞いも自己愛=自己利益の顕れ。
そう考えると、世の中自己愛が蠢いていて
どろどろの拘泥活劇が日常茶飯事なんです。
新聞や週刊誌に踊る見出しは
そんな自己愛=自己利益の詭弁を
はやし立てているかのごとく。
人間の浅ましさは筋金入りです。
だからこそ、厭きずに日常を過ごせるのかもしれません。
今回、カメラを手に舞台上の表情を追いかけてみて、
役者たちがなぜこうも演じることに悦びを見いだしているのか
わかったような気がします。
演じることで、人間の浅ましさが身近になる。
感情の機微を再現することで、人間がいとおしくなる。
自己愛=自己利益に翻弄される人間が、ちっぽけでくだらない存在だと
深く理解しながらも、そこがまた可愛いと思える。
もっともっと洞察力を高めて
人間の業に触れていきたいと思った舞台でした。

会場でAKIさんが描いた、カメラを持つbozzo。

トーベンさんとAKIさんのライブコラボ。
40分のあいだにAKIさんが描いたのは、なんとその愛犬ハナ。
トーベンさんのアルバムタイトルにまでなっている「ハナ」は
残念ながら天に召されたらしいのだけれど、
久々の再会の結実に「ハナ」を描くAKIさんの温かさに、
ボクは心打たれてしまった。
そんな交歓に会場もハートウォーミング。
最後はひょっこりひょうたん島で
AKIさんも歌った。

湯川トーベンさん。
元子供ばんどのベーシスト。
今は自身のユニットやスタジオミュージシャンとして
多方面で活躍されている。
子供ばんどといえば「サマータイムブルース」をよく歌ったもんだけど、
娘さんが湯川潮音さんとは…。後日知った。
AKIさんが絵を描いているヨコで
終始マイペースにギターを奏でるトーベンさん。
「天ぷらと月見」とか「食パンとミルク」とか
思いのままに歌をつないでいる。
でもその揺るぎないスタンスが、聴く者を魅了する。
このハナって楽曲は、愛犬ハナに捧げた曲だと思うのだけど、
どこまでもピュアな音のつらなりが、森閑とした安らぎを与えてくれて、
トーベンさんの懐の深さを感じるのだ。
そして、その心は潮音さんにしっかり引き継がれているのだなぁと、思った。
写真のTシャツはAKIさん画。
ツアーノベルティとして以前販売し、
瞬く間に完売。トーベンさんもお気に入り。

「でまえあーとだいがく」を終えたその足で
世田谷にあるボランティアセンターで行われた
AKIさんのライブペインティング会場へ。
10年以上交流を深めている湯川トーベンさんとAKIさんの
久々のライブペインティングと聞いて駆けつける。
14歳の頃からのAKIさんを知るトーベンさんとあって
AKIさんも終始なごやかに筆を運んでいた。

「でまえあーとだいがく」にて講師である関口光太郎さんを紹介するにあたって、
本人が入場とともに持ち込んだ作品「海が好きな男」。
こどもたちよりも大きな、迫力のあるこんな作品を見せられたら、
一挙にテンションも上がる。ワクワク度もヒートUP。
これ全部新聞紙とガムテープで創ったんだよ…と言われると、
「ぼくにもできそう」ってことになるから、素敵。

24日は朝から神奈川県藤沢市にある善行小学校にて
多摩美校友会主催の「でまえあーとだいがく」の撮影。
「出前アート大学」は多摩美術大学の卒業生ができる社会貢献事業として2004年からはじまった出張型授業。
学校教育で図工や美術の時間が減少(!)している中、
子ども達にアートの楽しさ、創る喜びをともに体験したい…という願いから生まれたもの。
39回目の今回は講師に彫刻家の関口光太郎さんを迎え、
1年2組26名のこどもたちと新聞紙やガムテープを使って
巨大な「しんぶんかいじゅう」を制作。
ボクはその記録係として今回初参加。
はじける笑顔の無垢なこどもたちに
終始こちらもはじけっぱなし。
テンションの高い5時限授業だった。