【aPR_24】わからないのならばしかたないですねとりあえずは信じておきなさい


中澤系さんの命日_20090424。

本に寄稿したテキストに詳しく書いたけど、
人は、若いときは性愛について不自由で、大人になれば自由になれるって思えるわけです。
だから自由に憧れます。テクニックだけじゃなく、経験が、人や事態を理解できる能力を与えてくれます。
それが自由です。
その自由に対する反語が「3番線快速電車が……」という短歌です。
それによれば、自由になることが、よくないことなんです。
快速電車通過のアナウンスを、多くの人がちゃんと理解して下がります。
つまり自由なんです。理解できる人は自由だから下がります。
すると「理解できない人は下がって」っておかしいでしょ。
「理解できる人は下がるが、理解できない人は下がらないことをやめろ」みたいな二重否定文なんですよ。
「普通の人は下がる。あんたは普通じゃないので危ないから下がれ」みたいにも聞こえます。
そういう二重否定的な構造に、
昔なら誰もが良きものと考えていたシステムというものに対するアンビバレンスを感じます。
便利なシステムによってフラット化していく社会の中で、
どんよりしていくばかりの個人の在り方への、否定的感情が中澤さんにはあった。
当然だけど、不幸だから不幸な歌が詠めるんです。
そして、人は希望を抱くから失意に陥って不幸になるわけです。
また、失意の不幸ゆえに奇跡を待望したりもします。現実に起こらなくてもいい。
奇跡をリアルにイメージできるだけでも人は救われるからです。

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