【2011_0311】和合亮一「詩の礫」_02そして少年。女川。氷点下。車、がれき、車。


このことに意味を求めるとするならば、それは事実を正視しようとする、
その一時の静けさに宿るものであり、それは意味ではなくむしろ無意味そのものの闇に近いのかもしれない。

(中略)

茶の間の時計と本棚の時計が2時46分を指したまま、激しく転がっていた。
その後に駅に行ったが、巨大な時計がやはり2時46分を差したまま、止まっていた。
明日は2時46分に目をつむろう。

(中略)

不明の母を探す少年と、伯母。やがて遺体で母は見つかる。取り乱した伯母は泣きじゃくる。
警察官は静かに話す。「お姉さんのところに、帰ってきたんだから、それでいいと思わないと」「帰ってこない人もいるんだよ」。
「大丈夫か」と尋ねる警察官。「守るものがいっぱいあるから、がんばらないと」ときっぱり彼に言い放つ、女性。
そして少年。女川。氷点下。車、がれき、車。