【Oct_10】異端とは何か?


異端 × 異端
川村美紀子『或る女』/ 佐々木敦『paper song』@日暮里d-倉庫

川村美紀子新作『或る女』…みっこのSensitiveな部分が出た作品。
昭和29年の「或る女」の手紙に平成29年の「或る女」が応じるカタチで進行する舞台。
その往還から導き出されるのは、時空を超えた心のつながりだったのか。

昭和29年の手紙がみっこの祖母が実際に書いたものであることは、
後日知ったのだけど、映像といい、音楽といい、当パンのカタチといい、
細部にまでこだわる作り込みが見事。

ホント、繊細ゆえにアーティストなのだと思う。

その繊細さが、世の中との齟齬をパワーとして心動かす作品を産んできたのだと思うのだけど、
今回はその齟齬を爆発させず、内向させるような仕上がりだった。

内向した作品としては『地獄に咲く花』が傑出していたのだけど、
今回はその齟齬をコトバで煽動していただけに、行き場のない感じが返って切なく、
それがSensitiveに見えたのだと思う。

常に爆発の期待に応えることが、本意ではないこと。
その期待と裏切りがこのアーティストには常々あるのだけど、
その一線を越えたところに、きっと本来のステージが整っているような気がする。

今はひたすら、積み重ねるのみ、だ。