中三の「森」を描く=卒業制作 by 鈴木瑞穂先生
毎年中三になると取り組むのが卒業制作である。本、写真(グラビア)、
スケッチなどの資料収集や取材は夏休みの宿題である。
九月からは、近くの森や林にはいって、ラフスケッチを繰り返し、
「森」のイメージを決めていく。
この卒業制作は、3つの視点からテーマを決め、自分の描こうとしするイメージを確かめていく。
その3つとは、
(1)見たままの写実的な「森」のいとなみを描く。
(2)想像としてつくる象徴的な「森」のイメージで描く。
(3)社会問題として扱う「森」を描く…である。
「森」というテーマは“奥深いことである”。
そこには神秘性、象徴性、不可解なもの、未知なるものが付加されるだろう。
ひとつの「樹木」のなかには木肌、幹の様態、その枝ぶりと、
なによりも根によって支えられた存在感がある。
一本の樹のなかに「森」を見る。生命と死、エコロジカルな「森」の体系もまた、
「樹木」にこだわって熟視した結果として「森」の絵に表現されるのである。
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中三のこれらの絵の多様さ。これが、ジモリの多様さを育んでいる。
