中二の課題・石 by 鈴木瑞穂先生
モチーフとして石はおもしろい。硬質で、もうこれ以上変化もせず、静止した石塊。
この石に深く深く斑紋として刻まれたキズやシミの、
長い時を経た歴史の痕跡と記憶を辿るようにイメージして描く。
自然物の内部に仕組まれて、隠されて在る様々な美しい色とカタチを見つけ出す。
細部にこだわって、執拗に追求することからできてくる仕事なのである。
自由で楽しく描くことに越したことはないが、ややもすると、
うわずった中身が薄くなるものだ。
こんな時は再度、実物の観察に戻って見ている気持ちを確かめたり、
手で触れるように深く見直すことである。
