【Mar_23】八咫烏


八咫烏の八咫(やた)とは、咫=親指と中指を開いた長さ八つ分、
つまり三尺二寸(1メートル)ほどの大きな烏…という意味。

中国では太古の昔から、太陽の中に住む3本足の烏を「金烏」、
月の中に住む兔を「玉兎」と名づけ、太陽と月を崇めるシンボルとして親しんできた。
日本には奈良時代以前に伝わってきたようで、法隆寺の調度品に「金烏玉兎」が描かれている。

今でも月の中には兔が住むことは自明だが、
烏については悪鳥のイメージが幅をきかせているため、
誰も太陽の象徴と崇めることはない。

慈鳥孝鳥とされた烏は、夜明けとともに朝日に向かって飛び出し、
日没には夕日に向かってねぐらへ帰るので、その姿が太陽と結びついた。

また方角を知る鳥として、道に迷った神武天皇を熊野に導いたことでも知られている。
日本サッカー協会のマークも、相手のゴールに導く鳥として八咫烏が使われている。

死と再生を願う古代の太陽信仰とつながる、熊野の八咫烏は、
日本人の死生観を探るキーワードなのだ。