【mar_04】砧


粟谷能の会」続いて、粟谷能生さんの「」。

互いに情愛を持ちつつも夫は仕事で故郷を離れ3年、
妻は今か今かと帰郷を待ち焦がれるが、終には寂しさのあまりこの世を去る。

死の報を聞いて無念の思いで弔いを始める夫の前に、
妻の亡霊が現れ、夫への恨みつらみを訴えるが、やがて成仏する。

なんともやりきれない話なのだが、
夫婦の情愛がすれ違う様は、現代にも通じる内容。

能生さんの演じた「妻」は
滲み出るような悲哀の情と、行き場のない恨みに溢れ、
微動だにしない立ち姿に、ぐさっと胸を突かれた。

名演。