【大貫妙子】突然の贈りもの


突然の贈りもの
甘く香る花束
頬を寄せて抱きしめる温もり

別れもつげないで
独りぼっちにさせた
いつの間にか六度目の春の日

 置き忘れたもの なにもかも
 そのままにあるの
 幸福でいたなら それでよかった

あなたの気まぐれに
つきあった仲でしょ
いつだって嘘だけはいやなの

必ず待ち合わせた
店も名前をかえた
この街へ戻ってきたのね

 初めて出逢った 時のように
 心がふるえる
 尋ねてくれるまで 待っているわ

皆とはじめた
新しい仕事にもなれて
元気でいるから 安心してね

突然の贈りもの/大橋トリオ

     ●

…夏だねえ。
朝も早くから自転車で
ひまわりを撮影しに。

8時だというのに、
照り返す陽射しに、うだる。

久方ぶりに沖縄の強い光を思い起こさせる。

…おきなわ。

夏、うだる、汗、熱、情。

あの店も名前を変えた…なんて、しょっちゅうだったけど、
そんなこんながすべて、胸、たぎる。

…そういや、この夏は、
まだ、海を、見ていない。