
十秒後の世界
そんなことさえ ボクは知らない
二メートル後ろの自転車にも慌てる
風はことわりもなく
君のカラダから体温を盗んで
また彼方へと消えて行く
全てを置き去りにして
少し残酷で、優しい所
残されたボクラの世界は
何処か揺らいで見えたんだけど
きっと「ゆれた」のはボクのほうさ
もしも、この世界が幻で
夢だったと科学者が証明しても
そいつを蹴飛ばして君を抱きしめる
誰かの悪戯さ…
ボクがね、知ってるコトはこれだけさ、不思議なんだけど
喜びも悲しみも たった一つの場所からやって来た
風を売り暮らす人の声がどこかで聞こえる
10ルピー払ってボクは風を待つ
だましてもいいぜ ずっと待ってる
ラルゴ ラルゴ ボクの知らない
ラルゴ ラルゴ 風の歌を
ずっとずっと ずっとずっと
ボクは待ってるんだよ
ラルゴ ラルゴ ボクの知らない
ラルゴ ラルゴ 風の歌を
ずっとずっと ずっとずっと
ボクはずっと待ってるんだよ
待ってるんだよ
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ラルゴ【Largo】…幅広くゆるやかに。
ゆるやかに、風を待つ。
ラルゴ ラルゴ 風の歌を。
ずっとずっと ずっとずっと
ボクは待ってるんだよ。
たとえ10秒後の世界でも、
ボクラは待つしかないんだ。
確信なんて、どこにもない。
あるのは、「想い」だけさ。
喜びも悲しみも たった一つの場所から
やってくるんだっ。
…そう、自分自身さ。
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その世界観は、FISHMANSの佐藤伸治に通じる。
上田現も「真のリアル」を追い求めた…んだと思う。