
4月11日に行われた
「奄美写真ナイト!」は
ボクにとってエポックメイキングな出来事だった
…と書いた。
島唄の坪山豊さんの歌声を聴いていて
ほろっと涙がこぼれてきた。
今年で80歳。
42歳から島唄を歌い始めた…という。
そのきっかけは、42歳で「島唄に興奮」したから。
島唄の訴えかける力に「語り」の強さを知ったから。
唄のほとんどが労働歌。辛い労働を唄が紛らわす。
歌詞の意味がわからずとも、坪山さんの「語り」の力は
ボクの心を鷲掴みにし、ぐらぐらっと揺すぶった。
声量がすばらしい。
三線もバチを使って軽快に鳴らす。
ストラップを用いた立ち姿も「坪山琉」。
80歳にして、この芸域。
舞台袖でその歌声に魅了されながら、
「いろんな音楽聴いてきたけど、見送られるなら島唄だな」…とひとりごちる。
その旋律や寂寥感、無常観は、
ジャズやクラシックにはない、
母国の力強さがみなぎっていた。
最期はやはり、
土地の(シマの)唄が
ふさわしい。
そんな思いを抱きながら聴き込める音楽に出会ったのは初めてだった。