【KINGSTON】STINGの夜 その2


「Hey!,No Camera!」

Hey!という呼びかけは
全然気持ちよくない。

相手を苛立たせるに余りある呼びかけだ。

まったくもってデカイ態度だ。
ジャマイカ警察主催のイベントだと
聞いていたが、こいつらポリスなのか?

ゲート前の事務所まで連れて行かれ、
カメラを置いていけ…とぬかしやがる。

この時に最後まで抵抗すべきだった…と
明朝ものすごく後悔することになるのだが、
苛ついていたこともあり、早く切り抜けたかった気持ちもあり、
言われるままにカメラを預けてしまった。

これは大いなる間違い。

「ジャマイカでは、モノを預けたら
 100%戻ってこないから、絶対預けないで」

13年在住のナイト彩子さんの忠告。
そんな忠告さえ、事前に聞いていれば…。

「明日の朝5時に取りに来て。返すから。」
ドデカイ図体の男の上司らしき女性が
ぞんざいに言い放つ。

「デポジットの証明をください」
とにかくそのまま渡してしまったら
後で問題になりそうだ…と、拙い英語で尋ねたところ…

「そんなモノはない」
…と一喝されてしまった。

これも後で思えば、十分伏線となっていたことなのだ。
彼女はこの時すでに盗もうとしていたに違いない。