【転機】NAHAマラソン その3


「我那覇和樹」が手を差し伸べている。

彼も今、川崎フロンターレに戦力外通告され、
10年間の古巣から飛び立とうとしている。

周りを囲むファンが声をかける。
「和樹、がんばれ!」

   状況がダブる。

      ●

金曜日に「レゲリーマン」から着信があった。

年末にジャマイカで録音をするんだけど、
「レゲっ娘」のプロデュースも兼ねてるので
カメラマンとして同行しないか…と。

出発は23日の夕方。
帰国は年明け2日だという。

あと2週間しかない。

結論を出すなら、今すぐ。
無茶な話だとはわかっているが、
この好機を逃したら、萎んでしまいそうな気がした。

まさに「手を差し伸べられた」気分だ。

しかし、すでに年末年始は
予定をみっちり入れてしまっている。

すべてをキャンセルして、
ジャマイカへ飛ぶか。

「月曜まで、時間をください。」
…そう告げながらも、すでに気持ちは
 ジャマイカにあった。

興奮していた。

夢にまで見たレゲエの島。
猥雑な2ビートの島。

Bob Marleyの島、Skatalitesの島だ。
今まで行けなかったのが、信じられないくらい、
…ボクはこの島の音楽に薫陶を受けていた。

写真家のスタートとして、
これ以上のお膳立てがあるだろうか。

何もためらうことなく、
勇んで進むべきじゃないか。

【転機】は突然、訪れる。