【MUTE BEAT】Coffia


1986年頃だったと思う。
たしかClub KINGのイベントで
芝浦インクスティックという海岸一丁目のクラブで見たのが最初だ。

MUTE BEAT/Coffia

新宿2丁目のレゲエバー「69」。
高校生にもかかわらず、高校の友人に連れられて
金曜日の夜中に迷い込んだ地下の穴蔵。

ワキガとガンジャの匂いが入り交じり、
黒人が腰をくねらせ、股間をグラインドさせている。

6畳ほどのスペースに20人ほどの男女が入り交じり、
赤い照明と刺激的な匂いとSEX,SEX,SEX…!!

なにがなんだかわからないうちに
Reggae =猥雑なイメージをすり込まれた。
脳天に弾丸を撃ち込まれたようなカルチャーショックだった。

Bob Marleyが歌う「OneLove」のフリーダムさは、
その猥雑な空気とともにユートピアにおける「性の解放」を
純粋な少年に植え付けた…。

だから、ボクにとってのReggaeは「童貞喪失」と同意だ。

      ●

そんな歪んだ認識を正してくれたのが【MUTE BEAT】だった。

こだま和文のトランペット!その哀愁!
Drum’nBaseの揺るぎないビート。
ひたすら2ビートを繰り出し、感情の昂揚も押さえ、
波風立てず、静かなGrooveで観客を熱狂させる。

まったく新しい音楽体験だった。

猥雑さの破片もなかった。

どこまでもクールで、ワビサビの音楽だった。

またもや弾丸を撃ち込まれた気分だった。

     ●

だから、ボクの血潮には
猥雑さと精緻な知性を合わせて持つ
アンビバレントなビートが流れている。

それがボクのReggae体験。

そして、この体験がトランペットを吹くきっかけとなった。
20年の歳月を振り返って、聴き返してみても
弾丸の衝撃は変わらず保たれていた。

…猥雑であり、知的である、2ビート。
 これが、ボクの原点。