木村さんが遺してくれたもの


11月17日。月曜日。
名古屋へ飛んだ。

雨の降る沖縄から
もみじ輝く秋晴れの名古屋へ。

ラジオCMの録音が
表向きの目的ではあったが、
本当はしっかり報告をしておきたかった。

木村智さん。
ちょうど1年前、
ぼくたちの前からいなくなった。

10年前の沖縄で
広告の面白さを教えてくれた人。
とにかく派手な存在で、
一挙手一投足が愉快、豪快な人。

あのスタートが
この10年を支えてくれた…と言ってもいい。

だから、しっかりと報告しておきたかった。
元カメラマンであった木村さんには。

「これから写真で食っていこうと思います。」

遺影に手を合わせて、しっかりと伝えたかった。

      ●

八事のご自宅へ向かう車中、
そんな思いが巡る中で、
故人に伝えるってどういうことだろう?

…ふと、そんな思いがよぎった。

      ●

木村さんの遺影を前にして、
しっかりと手を合わせ、
思いの丈を伝えたあと、
奥さんや娘さんとお話をさせてもらった。

その場所に木村さんもニコニコ同席していた…ように思う。

2年前に急に犬が飼いたくなったエピソードや、
「木村がしかりつけると犬が大人しくなる」
…といったお話を受けながら、うなづいてる木村さんを感じた時、

ボクが木村さんに伝えたい…と思ったこの気持ちこそ、
写真を通してボクが表現したいことなんじゃないか…と

    何かが、ふっと、降りてきたのだ。