
3月16日。日曜日。
すべてが灰色に包まれた午後。
当時の状況を物語る独居房の棟へ。
ダッハウ強制収容所には
最大時40000人ほどの囚人が送り込まれたが、
それだけの数の人間が集まると、
もはや統制を取るのは難しい。
区切られた村のようなものだ。
そこで第三帝国は
囚人にランクを付け、
上下関係を構築することで
囚人が囚人を管理するシステムを作った。
この独居房は
主に政治犯が収められた。
共産主義者など
政府の政策を糾弾し、
捕らえられた者たちだ。
他にカトリック教の牧師が
3000人ほど拘留された。
第三帝国にとって
神は不要だった。
そのように捉えられた
博識ある人間たちは
政府にうまく利用された。
巧妙な取引で
命を細々とつなぐ
…そんな状況下に追い詰められた。
巧妙なだけに
信頼を失うと
極悪な刑に処せられた。
cell-roomといって、
細胞のように細かく区切られた
立っているのがやっとのような細長い空間に、
水も食事も与えず放置され、餓死するのを待つ刑。
睡魔に襲われ
横になりたくても
膝を曲げることすらできない。
足の筋肉が衰え、
関節が炎症を起こし、
もはや立つことすらできなくなる。
そのような究極の状況で
人間はどのような対処をして
死を受け入れるのだろう。
朦朧とした意識との格闘。
死を待つしかない究極の懲罰。
コンクリートの壁に残された
数々のひっかき傷や凹みが
…その懊悩を…訴えていた。