
孤高のピアニスト、グレングールドの貴重な映像を見た。
「グレングールド27歳の記憶」
そして、
Goldberg~Zenph-Re-Performanceを購入した。
これは1955年にGould鮮烈デビューとなった「ゴルトベルク変奏曲」の再創造である。
つまりコンピュータが当時のグールドを解析し、
リズム、強弱、アーティキュレーション、装飾法、ペダリングなどの詳細を
ピアノ自動演奏で録音したものなのだ。
1955年版「ゴルトベルク変奏曲」はモノラル録音だった。
せっかくのグールドもモノラルだと、
右手と左手の絶妙なバランスが聞き分けられず、
その理性的なプレイを堪能しきれなかった。
そんなわけでボクはいつも
1982年版の再録ゴルトベルクを
いつも耳にしていたのだが、
本来のゴルトベルクは
1955年から始まったのだから、
こちらの録音も同じように体感したい…
そんな思いもあった。
だから、この「ピアノ自動演奏」版は
とても興味深く拝聴できた。
まさしくグールドだった。
機械的な演奏…そう言ってしまえばそうなのだが、
「ピアノ自動演奏」とは思えないパッセージが、そこにはあった。
最新の録音技術で、
グールドが演奏中、耳にしていたであろう
左右のバランスでピアノが耳に届く。
グールドを追体験しながら、あのゴルトベルクを聴く。
奮えるような興奮がやってきた。
細部の音圧まで、しっかり耳に届いた。
全体の音の起伏がよりリアルになった。
なによりモノラルの平板さが、奥行きを持って甦ってきた。
1955年版がなぜ、あれほどまで人々を熱狂させたか…
その感動が掴めたような気がした。