笠間で5年ぶりの再会 その2


その後、彼女は「3ヶ月で戻ってくる」と言い残して、沖縄を離れる。

ボクたちも、せいぜい半年ぐらいで戻ってくるだろうと踏んでいた。
「南米に行ってくる!」って勇んでいったけど、行けて半年だよなあ…って。

ところが、彼女はその後4年間ものあいだ、
南米をメキシコ⇒ボリビア⇒アルゼンチンと南下し、
さらにはスペインへと足を伸ばす「流浪の旅人」となった。

時々、忘れた頃に送られてくる手紙は
写真付きで元気な姿が確認できたが、
日本語もたどたどしく、
銀細工の道売りで生計を立てていると聞くと
ジプシーさながらの姿が思い起こされ、
「ホントに大丈夫なんだろうか?」と
肝を砕いた。

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実際のところ、話を聞いてみると
想像以上に波瀾万丈だったことがわかった。

もちろん、想像の域は出ない。

彼女の南米での毎日が、
沖縄でゆるゆると過ごしているボクに
わかるはずもない。

せいぜいNYでの悪戦苦闘を重ね合わせる程度だ。

「髪の毛に虱がついて、坊主になった。」
「体重が42キロにまで落ちた。」

多くは語らないが、
その実体験から出る言葉の重さに
彼女の4年間を想う。

この4年間の機微に富んだ毎日がきっと、
今後の彼女の人生を彩ることになるのだろう。

5年ぶりの再会は
そのブランクをまったく感じさせなかったし、
彼女の性格やそぶりも昔のままだったのだけれど、
時折見せる「ふっと」した表情や、瞳の奥に
刻まれた「記憶」の深さを感じたりした。

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愛ちゃんは今、
南米生活で培った技術を生かして
銀細工の製作・販売を行っている。

llerva(愛ちゃんのシルバーアクセサリー)

この写真は、彼女の仕事机。
細かい作業を器用にこなして
見事な銀細工を紡いでいた。

くるみを輪切りにしたステキなネックレスを
再会の祝いにいただいた。

今もしっかり身につけている。