
あさっての土曜日に、いよいよここ栄町に別れを告げる。
那覇市大道「栄町」に、まる9年間。
義務教育の9年間をここ栄町で過ごしたと考えると、大変感慨深い。
…沖縄に来て、もう10年が経とうとしている。
いつまでたっても「客人」としての自分がいる。
最終的には、やはり沖縄に「心酔」していない自分に気づく。
そもそも、ここ「栄町」に住まいを決めた理由は簡単だ。
この「栄町市場」に惚れ込んだからだ。
迷路のように入り組んだアーケード街が、
かつての住まい「高円寺」を思い起こさせた。
「高円寺」はまさしくボクの青春である。
中学2年から大学卒業、社会人3年までの
12年間を過ごした場所である。
そんな思い出の地「高円寺」とここ「栄町」を重ね合わせていた9年前。
ボクは沖縄の地に、血湧き肉躍るかつての青春を求めていたのか?
振り返ってみると、沖縄の9年間はまさに青春だった…と思う。
最果ての地、南国の地、スカイブルーの海、照り注ぐ太陽…。
うだる暑さ、潮風にべたつく肌、キチガイみたいな夕焼け…。
何をとっても新鮮だった。
毎日、毎日が嬉々とした驚きにあふれていた。
朝は早くから西海岸を北上し、
青い空と青い海をまぶしく思いながら、
今までの経験を生かした仕事をこなし、
夜はおそくまで酒を飲み、
時には異国情緒あふれるオキナワ女をくどき、
毎日ヘベレケになりながらも充足していた。
学生時代に戻ったような
自己発現の毎日だった。
東京、仙台の修業時代が色あせて見えた。
オキナワの地が、ボクを再生した…と言っても過言ではない。