
金曜日の夜だ。
背骨の位置が治ったとはいえ、筋肉の緊張までは
まだ取れていなかったのだろう。
仕事をまともにしたのが、間違いだった。
夜の7時には完全に背中の筋肉が硬直していた。
とにかく妻に迎えに来てもらい、
お湯につかって緊張を和らげようとクルマに乗ったのが、
不味かった。
スパ設備のある「かんぽレクセンター」までクルマを走らせ、
駐車場で降りようとしたところ、背中が固まってしまい、
動くたびに激痛が走った。
右に左にカラダを揺らすたびに、走る激痛。
クルマのシートを不格好に転がりながら、
なんとか地べたにカラダを横たえる。
…そこで果てた。
起きあがることも、寝返ることも、できなくなった。
…しかたなく救急車を呼ぶことに。
21時30分。救急車は到着した。
1時間、駐車場で悶えていたことになる。
救急隊員が、凝り固まったボクのカラダを担架に乗せて運んだ。
心拍数、血圧、呼吸回数、体温…すばやく数値を調べる。
21時39分。救急車は那覇市立病院へと向かった。
21時48分。救急車は那覇市立病院救急受付に到着する。
すぐさま、救急の処置が施され、痛み止めの座薬を挿入される。
1時間後、痛みの治まらない状況を見かねて、レントゲン撮影。
整形外科医の触診を行うが、激痛のため、手の施しようがない。
煌々と蛍光灯が充満する救急室の簡易ベッドで、一夜を明かすことになる。
ドクドクと血を流す酔っぱらいや顔面蒼白の心臓を患った女、
気管支が痙攣したおじい、高熱の幼児など…金曜夜の救急は忙しい。
そのたびにベッドの位置が後方へ後方へと移動させられる。
気が付いたら、朝方の6時を過ぎていた。