酔いどれ詩人になるまえに


メリークリスマス。

酔いどれ、詩人、マットディロン。

この作品を構成する3要素。
それだけで、ボクはこの映画を期待した。

予告篇の全篇に流れる
クリスティン・アスビョルセンの歌声も
期待の炎に油を注いだ。

観る前から、作品に酔った。

酒に呑まれる質だからか、
学生のころから、この手の作品には滅法弱い。

自己陶酔。

トムウェイツのやさぐれ男の世界や
ジャズ喫茶の陰鬱で行き場なしの空気や
バーカウンターの紫煙にまみれた男と女の欲望に
ボクは昔から感入ってしまう。

歯止めのない欲望が渦巻く
剥き出しの人間模様が、好きなのだろうか。

ブコフスキーは書く。

酔いに任せてトチ狂ってるのは、おまえらのほうだ…と。
何かにしがみついて、幻影に囚われているのは、おまえたちだ…と。

何事にも不器用で、
流すことを知らないから、
ドデカイ思考の渦に呑み込まれ、
肉塊な言葉を吐き出すしか、ないのだろう。

考えが考えを産み、言葉が言葉をおびき寄せ、
どうしようもなくヒートUPしたくそったれな脳みそを、
酒と煙草と女が、ほどよく淀ませてくれる。

ブコフスキー。
思考の酩酊にようこそ。

クリスマスの夜に、カンパイ。

酔いどれ詩人になるまえに