石/山之口貘


季節季節が素通りする
来るかもとおもって見ていると
来るかのようにみせかけながら

僕がいるかわりにというように
街角には誰もいない

徒労にまみれて坐っていると
これでも生きているのかとおもうんだが
季節季節が素通りする
まるで生き過ぎるんだというかのように

いつみてもここにいるのは僕なのか
着ている現実
見返れば
僕はあの頃から浮浪人

    ●

徒労にまみれて坐っている…
まさに今のボクはその状態。

いつみてもここにいるのはボクなのか…
見返ればボクはあの頃から浮浪人

いつまでたってもモラトリアム。