New York State of mine その3


ニューアーク空港へ向かう帰路の途中で撮った一枚。

ビリージョエルが「ニューヨークへの想い」を歌う。
遠くに摩天楼がかすんでいる。
まさにこの時、ボクもニューヨークを想っていた。

あらためてビリーの歌を聴くと、ニューヨークが蘇ってくる。

都会の喧噪にもまれ、時間に追いまくられ、仕事を必死になってこなして、
ぎすぎすした人間関係に一喜一憂し、考えるべき事があまりに多くて、
夕陽を眺めたり、犬と戯れたりして、精神のバランスを取っている。

…そんなときにビリーの曲が心にドカンと届いた。

音楽。

枯れてひび割れ、荒れ果てた土壌に沁み込む水のように、
シンプルなメロディとメッセージが、そのままストレートに浸透する。

窓外の摩天楼を眺め、また始まるであろう日常を疎ましく想像していた
あのときの孤立した心情が、ふわっとよみがえってくる。

こころのすき間は、あったほうがいい。
少しは不満があって、時々こうやって遠くを眺めたほうがいい。
それだけ音楽の力が、全身に沁み込んでいくのだから。

明日もまた、せわしない時間との戦いだ。