
【ぺちゃくちゃナイトVol.3『REVIVAL』】
06SPEAKER“bozzo”『家をむらごとつくる』全テキスト&全スライド公開。
1.家をむらごとつくる。
古民家と地域自治の再生ってことで、
古民家をリバイバルして見えてきた地域自治への
可能性について話したいと思います。
2.まずは自己紹介。
bozzoボッゾと読みます。舞台写真家です。
ダンスを主に演劇や音楽などの身体表現を記録します。
親が保険屋だった関係で転校を繰り返し、
流転の日々を送りますが、
その中で大きな出来事を2つ。
3.1つめは沖縄との出会いでした。
30代のすべてを沖縄で過ごし、
音楽活動や広告の仕事にすべてを費やしたのですが、
土地のパワーがとてつもないところでした。
4.島の大半を占める米軍基地、
国道を戦車が走り、夜中にはミサイルが運ばれ、
婦女暴行が横行し、治外法権が行使される植民地の島。
日本の負債のすべてがこの島に集積されていました。
2つめの大きな出来事は…
5.震災です。
すべてが瓦礫と化した町並みも衝撃的でしたが、
その後の社会の動き、防潮堤が張り巡らされたり
原発事故の責任を取らなかったり、
その場その場の対応のお粗末さにビックリ。
その2つの出来事から…
6.ボクは道理のエエ加減さを学びました。
人間の考えることは相対的で
確固とした基準があるわけではなく、
常にその場しのぎなのだわ…と。
要はしょうもないなぁ、人間社会。
そのことを浮かび上がらせたのは…
7.カラダ一つで訴えかけるダンサーの崇高さ。
言葉で構築した世界にはウソが紛れてるけど、
カラダで構築した世界はホンモノだと。
内なる、自然の、崇高さでした。
東京の言葉のウソから脱却すべく、コロナに便乗して…
8.竹野に移住します。
竹野の海は素晴らしかった。
海と山が防潮堤で分断されることもなく、
「一町一川」で一つの川が循環する土地に一目惚れしました。
さらに…
9.築80年の古民家と出会います。
オール竹野産の住宅、
しかも大工さんも左官屋さんも竹野の職人さんで、
竹野の山から木を運んできて建てた
オーダーメイドの造りに惚れ込みました。
10.大量生産大量消費の現代社会の中で
生産性・効率性のみを追求し、
風土や環境を無視した、
どこに行っても同じ設計・同じ間取りの
現代建築とは真逆のベクトル!
身の丈の真実を感じました。
11.そんな古民家を改修するならエクセルギーハウスだ
…と建築家黒岩さんにお願いしました。
エクセルギーハウスは「身の丈の科学で」
風土のエネルギーを最大限活用する家です。
たとえば…
12.畳の下に1トンもの水タンクを配置して、
水が持つ蓄熱効果で古民家全体を温め冷やす
仕組みをまずは取り入れました。
夏は井戸水を流してひんやりと、
冬は薪ボイラーで水を温め、ぬくぬくと。
13.さらに古民家全体を発泡スチロールで囲みました。
蓄熱・断熱効果バツグンの発泡スチロールで、
古民家全体が魔法瓶のような状態になり、
水タンクの温度が放射熱によって
天井や壁に伝わります。
さらにさらに…
14.竹野のまちなみを印象づける焼板を実演。
杉板を三角に組み、内側を焼くことで、
炭化層が板を強くし、
潮風から家を守る先人の知恵を継承しました。
15.築80年の古民家が昔ながらの工法で…
しかも竹野の木、
竹野の職人さんと共に改修されることで、
新しい技術も取り入れられた
「地産地建」の家として生まれ変わりました。
16.竹野という土地で80年培われたものが…
竹野の職人さんの手で継続され、
その結果ボクらもその歴史と共に、
竹野に受け入れられたのです。
古民家が竹野産で再生されたことで…
17.ますます竹野への愛が深まりました。
身の丈が、そのまま拡張される思いでした。
竹野の木が育った山や川、海、
そして町へと自分の意識が向かいます。
竹野産に囲まれることで…
18.山も自分、川も自分、海も自分、町も自分…と、
我が事のように興味がわくのです。
つまり地域自治とは…
19.一すなわち全、全すなわち一
の関係性を
その土地で築くことから生まれるのだと。
この土地を愛することで、身の丈が引き延ばされ、
自分もこの土地の一部だと実感できれば…
その土地の空気・水・食物で育まれた
20.この自分のカラダ一つもまた崇高であると気付かされ、
その地域を守りたいと思うのです。
それが地域自治、引いては真の政治ではないかと。
photo by 伊木翔