【Jun_09】田原桂一『Les_Sens』


田原桂一『Les Sens@POLA MUSEUM ANNEX

会期直前に亡くなられた写真家田原桂一さんの個展初日に。

会場には以下の文が。

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本展覧会の作家である田原桂一氏が6月6日に永眠されました。(享年65歳)

当ギャラリーでは、展覧会の開催に向けて、どのような作品を展示するかなど、
田原氏と1年以上前から準備を行って参りました。
既成概念にとらわれず新しいことにチャレンジする田原氏の姿勢からは、
いつも作品に対する真摯な想いを感じました。

打ち合わせを重ねていたある日、
田原氏がふと
「庭を造りたい」とおっしゃいました。
その意図を伺うと、
「修学院やベルサイユ、竜安寺のように、庭は光を見るための器なんだよ」と。

この度の展示を通じて「光を操りたい」とおっしゃっていた田原氏の想いを、
皆さまに感じていただけましたら幸いでございます。

謹んでお悔やみ申し上げます。

2017年6月
ポーラ・ミュージアム・アネックス

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砕かれた細かい黒石が床一面に敷かれた会場は、まさに石庭のよう。
赤いレーザーがクリスタルを射貫き、プリズムのような光の文様を照射する様は、
時間の経過を忘れさせてくれる。

このクリスタルと赤いレーザーの構成だけで会場を埋め尽くすことが出来たのなら…。

いっそ東屋を配し、あぐらをかいて長い時間、
その場の変化を楽しむような見せ方が田原流だったのでは?

「庭を造りたい」というその意図はきっと、
展示によってオノレの内面を照らすことにあったのだと、
そのシンボリックな写真たちと光の明滅に触れて思った。

パリで活躍されていても、どこまでも東洋的思考であった
田原さんのスタンスが感じられる展示。

もっともっと研ぎ澄まされたであろうに、
その寂滅が悔やまれます。合掌。