すべてを見下すように屹立するホテル、HYATT。
文化発信の地、桜坂の一角にある。
町は本来、営みと共に在る。
ここ桜坂は場末の絶妙な雰囲気を醸した独特の歓楽街であった。
沖縄初のシネコン、桜坂劇場は1日数種の映画を上映する。
たまに本土から珍しいバンドのLIVEもあったりする。
我がバンド『南国ドロップス』の解散LIVEもここで演った。
独立後初の写真展『ゆれる。』も桜坂だった。
その醸成された町並を無遠慮に切り崩したのが、このホテルだ。
桜坂にかつての燻らした空気はもう残っていない。
均衡を乱したホテルのおかげで、町は瞬時に瓦解し、バランスを失った。
屹立したホテルの近代的輝きが、町全体をぼやかしくすらせてしまった。
店主が召された後、空きビルは取り壊され、観光客向け駐車場となった。
町並がどんどん歯抜けとなり、かつての賑わいも白々しくなった。
ホテルとのコントラストで、町がどんどん輝きを喪っていく。
完全にバランスを失ってしまった。
町は本来、営みと共に在る。
人々の生活があるから、町は脈打つのだ。
その真理を無為にした行政の罪は相当重い。
