【May_06】光がつき、始まり、光が消え、終わる。


現代劇作家シリーズ6 サミュエル・ベケット「芝居」@日暮里d-倉庫

7度

演出 伊藤全記
出演 山口真由 中山茉莉

劇団7度の『芝居』は、登場人物を女性2人に限定することで、
戯曲の持つエッセンスを抽出して見せる演出。

「人間はしゃべる動物」であり、
生きているあいだはしゃべることから逃れることが出来ない、
完全なる沈黙と暗闇は、
生きているあいだは決して得ることができない存在であることを、

セリフを執拗に繰り返すことで象徴化し、
人間存在そのものの悲哀にまで昇華する構造。

そこが返って、戯曲の中身を刷り込むような結果になり、
一番『芝居』の中身が伝わってくる作品となりました。

その構成力と照明の様式美には息を呑むものがあり、
「光がつき、始まり、光が消え、終わる」…『芝居』が
人間存在そのものであることをも、表出するものに。

この日の2作品は、
それぞれにおいてベケットの“沈黙と暗闇”の存在を現前させる演出で、
その考え抜かれた思考に感服しました。