【Jan_22】New-World Symphony


劇団黒テント公演「種山ヶ原」@RAFT

【on_Flickr】0122_Tane

  春はまだきの朱(あけ)雲を
  アルペン農の汗に燃し
  縄と菩提樹皮(マダカ)にうちよそひ
  風とひかりにちかひせり。

    四月は風のかぐはしく
    雲かげ原を超えくれば
    雪融けの草をわたる。

  繞(めぐ)る八谷に劈靂(へきれき)の
  いしぶみしげきおのづから
  種山ヶ原に燃ゆる火の
  なかばは雲に鎖(とざ)さるゝ。

    四月は風のかぐはしく
    雲かげ原を超えくれば
    雪融けの草をわたる。

注:
 まだき=夜明けの薄明どき。朝まだき。
 菩提樹皮マダカ=菩提樹の皮で作った蓑。
      (東北方言で、菩提樹をマダという。)
 劈靂へきれき=雷。
      (種山ヶ原あたりは雷が多く、雷神 祀った石碑がよく見られるという。)

種山ヶ原」_by宮沢賢治