マイクを音源に近づけた「オンマイク」と、
マイクを離して録る「オフマイク」。
距離があるから、空気ごと音が録れる。
すると、音が普遍性を持つ。
時代が、宇宙が、全部おさまっているような音…になる。
それが「オフマイク」だと、細野氏は気を吐く。
それはアナログとデジタルの特性を語っている。
…とボクは思った。
新聞紙で読まれる時世と、WEBで取り込む世の流れと、
とらえ方はまったく違っていて、
新聞紙は「オフマイク」で、WEBは「オンマイク」だと考える。
マイクを音源に近づける「オンマイク」は
事件そのものを取り込むには非常に効果的かもしれないが、
マイクを離してとらえる「オフマイク」は
事件の周りにある空気感や普遍性などもしっかり「雑音」として
読者の心に入り込む。
それは、時事漫画だったり、コラムだったり、
社評だったり、読者の声だったりするのかもしれないけど、
そういったさまざまな位相で共時的に発生する思考や論考が、
結構、そのものズバリを言い当てていて、一人合点するのだ。
現代の思考感覚そのものともリンクしている。
書店を賑わすビジネス書や生き方指南などのHowto本が「オンマイク」で、
時代を映したArt展覧会や写真集、老獪な作家の小説などが「オフマイク」。
アナログならではの「雑音」が、次代の符牒を発信している…のではないか。
写真にもそれは当てはまると勝手に思っていて、
解像度と感度ばかりに意識がいったデジタル指向は、
大きく振り子を戻しつつあって、
フィルムならではの空気感や温度、匂いといったものが発せられた写真が、
これからの時代には恰好な表現なのではないか…と、
自身の解像度と感度を上げるべく、日夜研鑽するのだけれど、
たとえば、女性の美意識そのものも変化をしていて、
化粧品会社が煽る「アンチエイジング」や「見た目の美しさ」
…といった「オンマイク」な指向には、実際女性も辟易していて、
「マクロビオティック」や「ヨガ」…といった体内循環、淀みない肉体に
…人生そのものを見た「オフマイク」な美意識を指向していないか…
突き詰めてしまえばその「生命を尊う」指向が、
情報が過剰に供給され、バランスを失った現代社会への警鐘として、
これからは大きなうねりになるのではと、期待を寄せているのだ。
「オンマイク」から「オフマイク」へ。
まさに的を射たり…なキーワードだった。
