
手にとるように感じる心
やさしさと言うのなら
私はちっともあなたの気持ちを
予想すら出来ないし
あなたの助けを求める悲鳴
耳をふさいでしまう
あなたが暗いトコで手を求めても
私はふりはらうし
引っぱる力はありません
引きのばす力もないです
やさしいフリをよそおうことなら
できるけど長くはつづきませぬ
弱い心をくるんであげる
やさしさがあるのなら
私はきっともたれかかりきり
いつまでたっても芋虫のまま
あなたの心情測ってみても
何センチかわからなくて
私の屁理屈並べてみても
どれもまずくて食べられない
肩がわりする力はありません
導いてゆく力もないです
身代わりになる勇気もありません
共倒れする覚悟もないです
ただ自分が倒れないように
ただ自分が立って歩くのを
ただ自分が轢かれないように
ただ自分になってゆくのを
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4月21日。水曜日。
「なんだよ、この天気」
「昨日は雨で、今日は腫れ、でもって明日は雨」
「気温も14度だったり、23度だったり」
「始発の時間はまだ寒いからコートが手放せないんだよ」
「で、この天気だろ。またコートが荷物じゃねえかよ」
ビル清掃の所長の話。
気分屋の女の子とつきあってるみたいな、そんな毎日。
今日の様子で明日が読めない。
「ねえ、明日は果たして、どんな気持ちなの?」
推し量るしか、術なし。
これも恋みたいで、よろしいか。
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ボクは心に常に音楽が鳴ってないと、生きられないようだ。
Jobimは今でも心を満たしてくれる。
その旋律に身悶えしながら、黎明の空を見上げたりしてる。
でも最近は、この人の歌声が心に響いている。
タテタカコ。
まさに「祈る」音楽。
よけいな説明はいらない。
ざらつく心を直接触るような、そんな剥き出しな感覚。
それでいて昇天しそうな、高音の無垢な音。
静かに降りてくる。
そしてじんわりと心の中を満たしてくれる。
タテタカコの音楽の充足感は
いったいどこからくるのだろう。
サウダーヂ…とは無縁の、
剥き出しでいて、無垢で、瑕瑾も曇りもない、まんまの音。
どろっと、している。
受け取っても、どうしていいやら。
でもそのざらざらした感覚に
いつの間にか心解き放たれる。
…やばい。
しばらく鳴り響いていて、
ボクの心を離さないかも。