何かが、言葉になろうともがいていた


名古屋から戻る機体の中で
漠然とした思いを整理していた。

 「何かが、ふっと、降りてきたのだ」
  それはなんだったのだろう?…と。

那覇空港に降り立ち、
モノレールで自宅へ帰る。

夕方5時の西日が、
車内の人々を照らす。

高校生やOLがそれぞれ
帰途の物思いに耽る中、

転送されてきた会社のメールを
他人事のように眺めている自分。

思えば、ずうっと自分自身のことばかり
写真に定着しようとしてきたなあ…。

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気分を一新すべく
いつもの散髪屋で髪を切る。

10年来のおつきあいである理容師に
身辺の顛末を伝える。

「写真でやっていこうと思うんだ」

「それは思い切ったねえ」

言葉にしながら、目指す未来を
イメージしようとしているボクがいる。

  木村さんの遺影の前で感じた何か…
  それは、何だったのだろう。
  茫漠とした感覚が、言葉になろうともがいている。

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