
1950年代の終わり、
ボサノヴァはブラジルのリオデジャネイロの
海沿いの街から生まれた。
サンバやショーロという多彩なリズムをもった
豊かな音楽の土壌から、
静寂の中に躍動を秘めた“新しい傾向”を
感じされる音楽の芽が息吹いた。
コルコヴァードの丘にそびえる
キリスト像の背後から俯瞰するリオの全景。
イパネマ海岸の青さと燃えるような夕暮れ。
木々の緑とリオの山々の稜線。
スクリーンから溢れるリオの美しさに心奪われる。
ジョビンが「ボクの音楽の多くはリオの美しさによるものだ」
と回想したように、ボサノヴァの美しさは
まさにリオの美しさに拠るところがが大きい。
ボサノヴァ創世の相関図が
手に取るように展開され、
この音楽の屹立線とも言うべき、
背筋を伸ばした「粋」の良さが
あらためてボクの心を捉える。
ヴィニシウス・ヂ・モライスや
ホナルド・ボスコリのような
詩人やジャーナリストが
ボサノヴァの立役者であったことも
非常に興味をそそった。
そして、何より
アントニオ・カルロス・ジョビンの
洗練された楽曲には涙が出た。
CORCOVADO、あのリオにそびえる丘が
どれほど彼らの心の支えになっているのか…と。
情景を思い描きながら、Tomの曲を噛みしめると
ブラジルの風が、五感に流れていくのを感じた。
ここぞ、私の探し求めた居場所
命の炎がきらめき尽きる日まで
あなたがそばにいてくれる
昔の私は道に迷い、孤独だった
人生を悲しい悪ふざけと思った
でもあなたのおかげで
生きる意味に私の眼が開かれた
我が愛するひとよ
リオでなきゃ、ダメなんだ。
それが、ボサノヴァ。