Alfieの思い出 その2


そんなAlfieで得た貴重な生Jazz体験のひとつに
五十嵐一生さんがいる。

2005年のこと。

元彦さんが1999年5月13日に突然亡くなられて
Alfieも相当様変わりしたのだろうな…と思っていたのだが、
行ってみると、学生時代に体験したまんまの雰囲気で、
元彦さんがカウンターでニコニコ笑っているような、そんな錯覚を覚えるほど
変わってはいなかった。

五十嵐一生。

一生さんの生Jazzは、その日が初めての体験だった。
ベルがマイクに向けられたその目の前に陣取って、
吐き出される生音を顔面で受けながら、文字通りナマの一生さんを感じた。

ものすごく野太く、ソリッドな彼のサウンドに、いっぺんにノックアウトされた。

耳をつんざくハイトーンも物哀しく、紡ぎ出されるインプロビゼィションも生き様だった。
テンションのかかったピアノの旋律に、切り裂くように嗚咽の高音が突き刺さる。
ベースとドラムが高揚感に任せて煽れば、一生さんも奔馬のごとく、天衣無縫にトランペットを響かせた。

プロフェッショナル…だと、思った。

音だけで、自分の世界を構築していた。
見事な物語が、音と共に映像となって浮かび上がった。
世界を創ること…それが表現者の表現者たるゆえんだ…とその時、切に感じた。

そんな五十嵐一生さんの9年ぶりとなるアルバムを手にした。
昨年の1月16日に発売されていたとは露知らず、今頃になって彼の世界を堪能したのだけど、
相変わらずの世界観には、感服。

「Invitation」や「peace」をカヴァーで持ってくるあたり、
Alfieの系譜を汲みつつ、新たな領域へと踏み込んでいる五十嵐さんの志向が伝わってくる。

おそらく現在、一番ノリに載ってる表現者だと確信した。

FREE DROPS / Issei Igarashi