
ひととおりの観覧を終え、ミュージアムショップへと入る。
傾きかけた陽が、ソファに伸びていた。
四国の牟礼にあるイサムノグチ庭園美術館も
陰陽を兼ね備えたステキな空間だった。
3.6mの「エナジーヴォイド」が暗闇の蔵の中で
ひっそりと、その艶めかしい石肌を光らせている。
蔵の引き戸を開けると、
陽の光が反射して、巨体の陰影が深まった。
立体化する彫刻。
陽の光が彫刻を立ち上がらせ、空間に奥行きを与えることを、
Isamu Noguchiは完全に掌握していた。
だから、彼のミュージアムはここまで居心地が良い。
光の粒が、空間を隈なく飛び交っているのが…わかった。
…ボクも視界のラチチュードを野放しにして、
陰影の移ろいに…心を解き放つ…。
刻一刻と表情を変える石。
Isamuの彫刻は、光の賛歌だ…とその時、思った。