「アタラカの星」by 下地勇


 んだがみ歩きぞーかーが
 人や同場所ぬ目当てぃな
 果てぃや見いらるん砂漠地ゆ
 願う心だきどぅ我ぬう助きうー
 うぬ星んな
 我とぅ一頭ぬ馬
 和合ぬ地ゆ揉みーどぅ
 がまらす心だきゆ担ぎ

 アタラカぬ父母や
 アタラカぬ物うふぃーたー
 いつがみまい止まん世
 我ぬう歩かすだき

 んざがみ歩き来たがーら
 歩ぎ意味やーつ押さいらるん
 捨てぃたふぁにゃーんがまらさまい
 疲りゅ心やーつ治さるん
 今だきや
 夢ゆ見いしみる
 戻らるん昔ぬ
 アタラス母ぬ腕ん
 心愛さ溢りーぬ
 忘きらるん日数
 アタラカぬ人々ぬ
 戻しふぃーぶさぬ

 うん越いや何まいさーりーふぃーなよ
 “ツンダラーサ” てぃぬ言葉や
 死ににゃーん新世ぬ
 やがてぃ廻り来すがみ

 アヤシャーカぬ太陽拝み
 和合ぬ大地んかい
 遠た果てぃがみまい
 歩ぎ止まされん

    ●

日曜日、下地勇氏を取材。
「みゃーくふつ」をメロディに乗せ、
時代の空気を歌う彼の姿勢は、
一見、非常に遠回りな印象を受けるが、
生きた言葉「みゃーくふつ」の響きが、
詞の内容以上に聴くものを凌駕する。

    ●

実際、心がうち顫えた。

「みゃーくふつ」の言霊が
旋律の抑揚とともにダイレクトに波打つ。
スケールの大きな楽曲だ。

    ●

 どこまで歩けばいいのだろう
 人々は同じ場所を目指すの
 果てしない砂漠の地を
 祈る心だけがオレを支えている
 この星には
 オレと一頭の馬だけ
 平和の地を求めて
 悔しさだけを背負いながら
 
 大切な父母は
 大切なものを残してくれた
 いつまでも回り続ける世
 オレを歩かせるだけ

 どこまで歩いてきたのだろう
 歩く意味さえわからない
 失いたくない悔しさは
 疲れた心を癒せない
 今だけは
 夢を見させて
 戻ることのない昔の
 愛しい母の腕へ
 愛が溢れてた
 忘れられない日々
 大切な人々を
 返してほしいだけ

 これ以上何も奪わないで
 「哀れな」という言葉など
 存在しない新しい世界が
 いつか回る来るまで

 夜明けの太陽に祈る
 平和の大地へ
 遠い果ての地までも
 歩みを止められない

    ●

 標準語に訳すと、平坦で奥行きのない印象になってしまった。
 言霊が抜け落ちた感がある。

 「みゃーくふつ」が持つ生きた言霊を畏怖し、
  操る下地勇氏は、まるで「ノロ(霊能者)」のようだ。
  
「アタラカ」⇒「かけがいのない」
 言葉の持つ力を、思い知らされた取材だった。

     下地勇オフィシャルWEB