【SEP_27】柳川堀割物語

『柳川堀割物語』高畑勲87年の映画。急速な近代化でドブ川と化した全長470キロもの堀割を、臭い物に蓋的「暗渠化計画」に待ったを掛け、有明海の潟で形成された平野故に、生活用水確保の合理で成立した堀割であることを市民に訴え、自然浄化システムの再生に舵を切ったドキュメント。自然との『煩わしい付き合い』を手放し、経済活動に憤悶する現代社会が、共同体を喪い、祀りを喪い、生きる目的を喪う因果律。2時間45分に凝縮された高畑監督の思いは、もはや手遅れとなった戦後日本の、一縷の望みを描いている…が公開から既に35年トホホ。当時はそれでも貧しい時代の記憶を糧に、自然共生の夢を再現できる糊代があったが、「一本の小川」が暗渠化した都市において、堀割が齎す共同体自治も唯々『煩わしい』だけで一掃されるのだろう。全ての表現が「望郷」に終始する現代で、滅びの美を掲げるより他に道は無いのか、絶望感ハンパないわ。#photobybozzo