【Mar_11】何かわかったんだけど、ちょっと言語化はできない。


例えば祝島に行って、そこの道を歩いていくと、
ぽつんぽつんとおじいちゃん、おばあちゃんがいて、ミカンをもらう。

知の交流はないんだけど、自分の中で〈learn〉したものが違う形に変化してゆく。
「ミカン、ありがとう」ってぐらいしか出てこない。
それが〈unlearn〉。何かわかったんだけど、ちょっと言語化はできない。

小さな島だけど歩いていると足が痛くなる。身体が感じている。
だから、そこへ行くことはとても大切です。
その場所に行って、風景を見て、空気を吸って、匂いを嗅いで、
生きている人間の声を聞くと、違ったセンサーが動く。
それは原発の本を200冊読むのとは違う感覚が働く。

ボクは両方なきゃダメだと思うんですよね。

(高橋源一郎×辻信一『弱さの思想』より)